49 癒えた顔
エマはエミリーの結婚式に出席しなかった。
苦い思い出に満ちたあの家には、もはやエマが足を踏み入れる価値などなかった。
エマはただ、郵便配達員のカラスに贈り物を託しただけだった。添えられたカードでさえ、定型文の祝辞だった。
あの日、ルーカスが突然現れたのは、まるで深海に投げ込まれた小石のようであり、それ以来音沙汰はなかった。
エマは時々、あれは疲れ切った自分の脳が生み出した幻覚だったのではないか、と思うことがあった。
いずれにせよ、ルーカスは姿を消し、エマとチャールズの平穏な生活を二度と乱すことはなかった。
それでよかった。
エマのしつこい勧めで、チャールズはついに手術を受けた。今日は回復期間の最終日だ。
治療師が彼の顔から最後の軟膏を洗い流すと、その下から現れた肌はまるで新品のように滑らかだった。
見慣れた看護師でさえ、思わず小さな感嘆の声を漏らした。
病室の窓から差し込む日差しが、優しくチャールズの顔に降り注いでいた。
かつてムカデのように這い回っていた傷跡は跡形もなく消え去っていた。
その代わりに現れたのは、「息をのむほど」と形容できる顔だった。
繊細な輪郭は、最高峰の彫刻家によって丹念に磨き上げられたかのようで、肌は滑らかで真珠のような柔らかな光沢を帯びていた。高く美しい鼻筋、自然で健康的な赤い唇。
そして、最も視線を離せなくさせるのは、その琥珀色の瞳だった。
溶けた蜂蜜のようで、目尻は細長くわずかに上向き、生まれつきの妖艶さを帯び、人の心を奪うような風情を漂わせていた。
手術後の茫然とした様子でエマを見つめる彼の瞳には、無垢さと無意識の誘惑が交錯し、言葉では言い表せない、純粋でありながら致命的な魅力を醸し出していた。
エマはチャールズを見つめ、一瞬言葉を失った。
チャールズの前の持ち主は、どうして彼を地下の闇市場のクラブに売り飛ばすことができたのだろう? きっと法外な値段で売ったに違いない。
本来なら喜ぶべきことだが、その美貌はエマの心に新たな影を落とした。
彼はあまりにも完璧すぎる……まばゆいほどで、めまいがするほどだ。
そんな彼が自分のそばに立っている……あまりにも不釣り合いではないか?
この突如として訪れた、外見に基づく強烈なギャップに、エマは言葉にできないほどの苛立ちを感じた。
彼女はもはや、以前のように平然とチャールズの顔を見据えることさえできなくなっていた。
「エマ……さん?」
チャールズはエマの気分の変化を鋭く察知した。顔から色気を消し、慎重にエマの前に近づいた。
彼はエマの前で半身をかがめ、顔を上げて、エマの表情を確かめようとした。
「どうしたんですか?
今の僕……ダメですか?
……エマさんが好きなタイプじゃないですか?」
彼の声には見捨てられることへの不安がにじんでいた。
その不安は、彼が今持つ美貌と強烈な対をなし、一瞬にしてエマの心の奥底にある最も柔らかい部分を突き刺した。
エマは胸に渦巻く雑念を必死に抑え込み、手を伸ばして、無意識に彼の柔らかい狐の耳を軽くつまんだ。
「そんなことないわ、チャールズ」
エマは声を明るく聞こえるように努めた。
「とても素敵よ。ただ……美しすぎて、思わず見とれてしまったの。
手術が成功して本当に良かった……おめでとう……」
エマの肯定を聞いたにもかかわらず、チャールズのこわばった肩は緩まなかった。
彼はエマが無理やり引きつらせた笑顔を見つめ、黙り込んだ。
しばらくして、彼は自分の尻尾をエマの手に押し込んだ。
「エマさん、僕は相変わらずあなたのチャールズです。以前と同じように、これからもずっと……」
エマは額をチャールズの額に寄せた。
「ごめんなさい、チャールズ。 まだ慣れていないだけ。きっと良くなるから、少し時間をちょうだい」
退院後、チャールズの生活習慣は容姿が変わったからといって変わることはなかった。
彼は相変わらず毎日決まった時間にエマの研究室の入り口に現れ、丹精込めて用意したお弁当を手にしていた。
陽光が彼を照らし、その完璧な顔立ちは通りがかる学生や同僚たちの感嘆の視線を集めていた。
彼はそれに全く気づいていないようだった。
あるいは、彼が気にかけているのは、永遠にエマの視線だけなのかもしれない。
ある日の午後、エマの研究室はいつも以上に賑わっていた。
エマの研究テーマに興味を持った数人の学生たちが彼女を取り囲み、研究グループへの参加の可能性について口々に質問を浴びせていた。
誰もが昼休みの時間が過ぎていることを忘れていた。
エマが辛抱強く答えていると、研究室のドアがそっとノックされた。
「どうぞ」
エマが応じた。
ドアが開き、チャールズが保温バッグを手に持ちながら入ってきた。
彼は今日、シンプルな白いシャツを着ており、それが彼の肌をさらに白く際立たせ、背筋の伸びた姿が際立っていた。
午後の日差しが窓から斜めに差し込み、彼の周囲に柔らかな光輪を描き出していた。
その欠点のない顔が現れるやいなや、たちまち全員の視線を釘付けにした。
もともと賑やかだった研究室は、一瞬にして静まり返った。




