46 ここはいつまでもあなたの家
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「エマさん、お帰りなさい」
彼はエマの首筋に顔をうずめ、声を詰まらせた。
「ただいま」
エマは手を伸ばし、わずかに震える彼の体をそっと抱きしめた。
「どうしたの? 顔色がすごく悪いわ」
「僕は……」
彼は顔を上げ、目尻を赤らめていた。
「エマさんが僕を捨てて……僕を置いて行ってしまうんだと思いました……」
チャールズの言葉には劣等感と恐怖が満ちていた。
チャールズがこれほど明確に不安をエマに打ち明けたのは、これが初めてだった。
そんな彼の姿を見て、エマの心は温かいレモン水に浸されたかのように、酸っぱくて柔らかくなった。
ルーカスと継母からのメッセージで湧き上がった苦しみも、彼のこの真摯な気持ちの前で、徐々に溶けていった。
「あなたを置いていくなんて……そんなこと考えるわけないわ」
エマは慰めるようにチャールズの尻尾を撫でた。
「でも、さっきの召喚獣がエマ先生を見る目……それに、あの子はあんなに…………美しくて、カッコよくて……」
チャールズの声はどんどん小さくなっていった。
エマは手を伸ばしてチャールズの頬を撫でた。真剣に彼の傷顔を見つめながら言った。
「バカ……もうすぐ誕生日でしょ?
チャールズくん、プレゼント……欲しい? 用意しておいたのよ」
チャールズの狐の耳がぴくっと動いた。しっぽを振る速度も緩んだ。
「プ、プレゼント……?」
「うん」
エマはうなずき、わざと謎めいた様子を見せながら、久々に安らぎに満ちた笑みを浮かべた。
「でもその前に、まず君の耳を撫でてみたいわ」
チャールズは一瞬呆気にとられ、琥珀色の瞳に照れくささがよぎった。
チャールズはためらうことなく、ずっと昔ダニエルがエミリーにしたのを見た時のように、従順にエマの前でゆっくりとしゃがみ込み、そのふわふわとした尖ったキツネの耳をエマの手元に差し出した。
エマは手を伸ばし、指先に微かな震えを帯びながら、ついにその温かく、ふんわりとした感触に触れた。
幼い頃、手に入れられなかったものが、この瞬間、ついに確かに掌の中に収まった。
それは、遅れて訪れた、優しく受け入れられたという充足感だった。
指先に伝わる、生命の鼓動を帯びた温もりを感じながら、エマはとっくに用意していた贈り物をそっと口にした。
「チャールズ、あなたの顔……治せるわ! 『復顔草』を見つけたし、お金も貯まったの」
チャールズの体が突然硬直した!
彼はぱっと顔を上げ、琥珀色の瞳を一瞬で大きく見開いた。
その瞳には驚きが満ちていたが、すぐに巨大な恐怖に取って代わられた!
??!この反応は一体どういうこと? 不機嫌なの?
「治、治療? なぜ、治療する必要があるんだ?
エマさん! あなたは…………私の顔が治ったら、
そ、そしたら……私を捨ててしまうつもりなんですか?
あなたは私を治して、それから良心の呵責もなく私を突き放し、それからさっきのあの狼獣と一緒になるつもりなんですか?!」
彼の言葉は連射砲のように浴びせかけられた。
彼はようやく手に入れたこの温もりを失うことを恐れていた。
再び見捨てられることを恐れていた。
自分が「回復」してしまったら、エマを引き留めることのできる唯一の「哀れな」部分さえも失ってしまうことを恐れていた。
一瞬にして青ざめ、恐怖に満ちた彼の顔を見て、エマは胸が締め付けられるような思いがした。
エマは手を伸ばし、チャールズの耳をそっとつまみ、耳元で囁いた。
「ちっ」
少し諦め気味で、かつ溺愛するような口調で囁いた。
「チャールズくん、その大きな頭の中で、いつになったらそんな余計なことを考える悪い癖を直してくれるの? ねえ?」
温かい息がチャールズの耳殻を撫でると、彼の体は再び震えた。
瞳の恐怖が幾分和らぎ、彼は困惑した表情でエマを見つめた。
エマは彼を見つめ、優しく彼の顔の傷跡を撫でた。
「あなたの顔を治したいのは、もうあの傷跡のせいで劣等感を抱いて隠れるようなことがないようにするためよ。
自信を持って日差しの下を歩けるように、もう他人の視線を恐れる必要がないように。
あなたを、この世界から優しく扱われるに値する、充実した人生を送るに値する、自立した一人の人間にしてあげたいの。
それらは、あなたが私のそばにいるかどうかとは、まったく関係がないのよ」
「それに、チャールズ、ここ……」
エマは足元の小さな庭を指差し、それから自分の胸元を指さした。
「ここがあなたの家よ。あなたが望む限り、ここはいつまでもあなたの家なの」
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