12 少しずつ、前へ
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大学2年生の新学期、最初の魔力親和力テストの授業で教授は、彼女の目の前の魔力クリスタルに表示された数値をじっと見つめ、長い間黙り込んでいた。
教室が少し静かになる。
教授は眼鏡を押し上げ、もう一度クリスタルを見る。
「……エマさん、ちょっと来てくれ。」
エマは何か間違えたのかと思い、緊張しながら前に進んだ。
「君は以前……」
教授は言葉を選びながら尋ねた。
「何か特別な魔力の訓練を受けたことはあるか?」
「……ありません」
エマは首を横に振った。
「「そうか。 では、君の家族には…… 空間魔法に関する家伝は……?」
エマは少し考えて、再び首を横に振った。
彼女は自分の赤い瞳が不吉な兆しであることしか知らず、それが何かの“家伝”と関係があるとは知らなかった。
教授はそれ以上尋ねなかった。
彼はテスト記録に一行の注釈を書き込んだが、エマはその文字が何であるか見ることができなかった。
その一行とは:
「空間召喚の才能。 『赤瞳』の血脈覚醒の疑い。 継続観察。」
***
大学2年の後期、教授は授業で複雑な魔法陣のシミュレーション課題を出した。
クラス40人のうち、完成させたのはたった3人だった。
エマはそのうちの1人で、しかも彼女の答案は正解よりも2段階簡潔で、教授が教えたことのない空間ノードの折りたたみ方を使い、本来7つの魔力ノードを必要とする陣基を5つに圧縮していた。
教授が授業で彼女の課題を披露する際、巨大な水晶スクリーンに彼女の魔法陣を投影し、こう言った。
「この学生の魔法陣に対する理解力は、私が15年間教えてきた中で最も優れたもののひとつだ」
光が広がり、そこへ一つの魔法陣が映し出された。
複雑なのに、妙に綺麗で、無駄がない。
魔力の流れが滑らかに繋がっている。
クラス中の視線が彼女に向けられた。
エマはうつむき、耳を赤らめた。
自由討論の時間になると、数人のクラスメートが彼女を取り囲んだ。
「エマ、どうやって思いついたの?」
「教えてくれない?」
「すごいね!」
授業の後、教授が彼女を呼び止めた。
「エマさん、少しいいか」
教室にはもうほとんど人が残っていなかった。
夕陽が窓から差し込み、机の上を赤く染めている。
教授は講義ノートを閉じ、それから静かに言った。
「空間召喚を専門に考えたことはあるか?」
エマは少し目を瞬かせた。
「……いえ」
教授は頷く。
「君は空間魔力との相性が非常に高い、私が見てきた中でも、かなり珍しい」
エマは黙った。
その言葉の重みが、よくわからなかった。
ただ最近ずっと妙だった。
魔法陣を見ると、自然に構造が頭へ入ってくる。
空間ノードの流れも、まるで最初からそこに線が見えているみたいに理解できる。
体の奥何かがゆっくり目を覚ましているような感覚があった。
長い間、重い石の下に押し込められていたものが。
少しずつ、少しずつ、土を押し上げてくるような。
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