学校での二人2
「おはよう蓮弥!」
「おはよう直輝」
朝、顔を合わせると二人は挨拶を交わした。
直輝は昔っからの幼馴染で小、中学校ではいつも一緒に通学していた。
「高校も毎回呼びに来るのか?」
「もちろん!高校でも蓮弥と一緒に通学するつもりだよ?」
「そうか。1つ野暮なことを聞くがいいか?」
「なんだい?」
「お前はアレか?ホモなのか?」
「ちがうわっ!なんでそうなるんだよ!?」
「だってお前ずっと俺とばっかだし告白とか結構されてたと思うが1度も彼女つくったことないし」
「確かに蓮弥といつもいる気がするけど、ホモじゃないし!彼女はつくらない派だから」
「そうか」
「あぁそうだとも!断じてホモではない!」
「彼女つくらないのは理解しかねる」
「そういう蓮弥だって彼女つくらないじゃん」
「まぁ、俺の場合はゲームとか色々とやらなければいけないことがあるから仕方ない」
「僕も蓮弥と同じだよ。だからつくらないんだよ」
「まぁこの話はこの程度で、NLGの話をしよう」
「そうだね。NLGと言えば、僕たちすごい目立ってるよ!」
「名前がバレたのか?」
「いや、名前はバレてないよ。正確には僕たちの存在が目立ってる?かな」
「ボス討伐の件だろ?」
「そうなんだよ!ボス討伐した時名前を非公開にしたから<誰が討伐したんだ~>って話題になってた。しかも1日で2回も討伐アナウンスがあったもんだからみんな大騒ぎ。報酬も凄かったし」
「報酬があるなんて説明書にも書いてなかったからな、それは騒ぎになるか」
「報酬はホントにびっくりしたよね2万円って、あっ蓮弥は7万円か。」
「おおよそ、プレイヤー達を鼓舞するのと、ニュースとかで話題にされ続けるためにつくったシステムなんだろうけど、俺達が真っ先にボスを討伐してしまったからな、会社側はそんなこと想像してなかっただろうけどな」
「あはは、確かに会社側は大損だね」
「というか、レッドウルフの100匹討伐はダメだったな。」
「うん、この手のゲームはいけると思ったんだけどねー」
俺たちはレッドウルフを100匹討伐することによってレッドウルフの攻撃手段である炎の玉を放つ魔法を習得できるのでは?と踏んでいた。
が、100匹討伐しても魔法は習得できていなかった。
「俺の仮説だが、レッドウルフ100匹討伐は習得条件を満たしていないだけなんじゃないか?」
「例えば?魔法使いにならないとダメとか?」
「それもあるかもしれない。ただステータスの欄には魔力が存在していたから魔法使いじゃないと習得できないなんてことは無いハズだ。つまり、単純に100匹じゃ足りなかったってことかもしれない。」
「なるほどね、じゃあ何匹討伐すればいいのかな?」
「俺は1000匹以上は討伐してみるつもりだ。」
「1000か、ははは、なんか昔モンスターを狩るゲームで1日の討伐数を競った時の記憶が頭を霞めた気がする。」
「そんなこともあったなそういえば」
昔のことを二人は思い出しつつ通学をしていたのだった。
クラスでもNLGの話でもちきりだった。
「なぁNLGでボス倒したら金貰えるんだってよ!」
「聞いた聞いた、俺もボス倒して金ほしぃー!」
「俺はログインしてたんだけどよ、その時アナウンス流れてなんのことか理解できてなくてその場にいるプレイヤーもみんな硬直してたぜ」
「報酬あるなんて聞いてないもんな」
「とにかく俺はボス狩りして金ゲットするぜ!」
「お前せこいぞ!俺の方が先に狩るんだよ!」
俺の席の近くで会話するもんだから丸聞こえなんだが、というか、いつの間に仲良くなってるんだ?俺なんかまだ1人も友達とか話し相手できてないんだが?
直輝は友達できてるのだろうか?
そう考えると俺は直輝の方に視線を移してみたが直輝は相変わらず女子に絡まれている所だった。
まぁあれも一応友達みたいなものか、羨ましい。
どうやはクラスの大半の男子は俺と同じことを考えているようで直輝のことを親の敵がそこにいるかのような目付きで睨んでいた。
そんな悪い空気が漂ってることを知ってか知らずか担任が教室に入ってきた。
「みんな、席に着いてください」
担任がそう言うと生徒たちは静かに自分の席に着いた。
「今からクラス委員長決めを行いたいと思います。」
担任の言葉を聞いた何人かの生徒たちは少し気持ちが浮かれたのか「おぉー」と期待の籠った声を上げていた。
「ではクラス委員長を決めます男1女1で決めたいと思いますが、クラス委員長を希望する人は挙手をお願いします。男子でクラス委員長を希望する人は挙手を」
このクラスカーストが一瞬で決定されてしまうような恒例行事、この戦いを制した男こそがクラスカーストいや、自然界のトップに君臨することになるだろう。どうする?俺も手を挙げるべきか?いやあまり自己主張はしない方が今は得策かもしれない。ふっ今回のクラス委員長は譲ってやろう。
そんな訳の分からないことを蓮弥は思考しながら謎に勝ち誇った気持ちでいたのであった。
「ハイ!俺やりま~す!」
誰かが手を挙げたようだった。その手を挙げた奴はTHEパリピのような生徒で名前は確か、なんだったか?
「橋本くん以外に希望する人はいますか?」
担任がそうクラスに声をかけたが誰も手を挙げる人はいなかった。
(ふむ、もう既にクラスカーストは決まりつつあるらしいな。他の生徒たちが萎縮してしまっているな。まぁ俺には関係も興味もないことだな。)
先程まで手を挙げるか悩んでいたやつの考えとは思えないようなことを蓮弥は思っていた。
「では橋本くんに男子のクラス委員長をしてもらいたいと思います。」
担任が任命するとクラスから橋本へ拍手が贈られた。
「次に女子でクラス委員長を希望する人は挙手を」
さて女子は誰になるのか。
そもそも俺はクラスの女子を全く把握していない。もちろん男子もだが。直輝なら把握してるかもしれないが。
「はい!私がやります!」
こちらは元気で明るいのが取り柄です。みたいな
女子が挙手をした。名前は知らない。
「他に希望する人はいますか?」
担任がクラスを見渡したが誰も手を挙げなかった。他には希望者がいないと判断した担任は
「では長谷川さんに女子のクラス委員長をしてもらいたいと思います。」
と言い、クラスから拍手が長谷川に贈られた。
(そろそろ俺もクラスでのポジションを決めておかないとな。)
朝のホームルームで委員長を決め、そして今日から授業が始まった。
どの授業も担当教員の自己紹介などでたった今、四時間目の授業が終了しほとんど授業という授業はされなかった。たぶん五、六時間目もそうだろう。
この国立東京高等学校は50分授業六時間制、10分休み+昼休みで教科書などは無い。生徒1人ひとりの席に埋め込まれたタッチパネルがあり、それに教科書の内容などは入っている。タッチパネルは角度など調整可能だ。
この学校に持ってくるものは弁当や体操服ぐらいだ。弁当は別に無くても学食があるし購買もある。体操服だって体育など体操服が必要な時以外は持ってこなくていいから、体操服が必要ない日や弁当を持ってこない生徒は手ぶらで登校したりもしている。
俺は購買派だ。直輝も俺と同じで購買派だ。
「蓮弥、購買行こうよ」
「その前にトイレに行く」
「おっけー」
「今は女子が付いてきてないな」
「うん、お昼は友達と食べるからって先に言っておいたから。まぁそれでもしつこかったけどね」
「モテる男も大変だな」
「蓮弥も気配を消さなかったら普通にモテる男だと思うけどなぁ」
「それはない」
連れションを終えた二人は購買に向かった。
「うわっやっぱり人多いね」
購買はコンビニ程度の広さと室内なのだが三学年様々な生徒がいるので割と混雑していた。
「まぁ仕方ない」
なんとか昼食を購入した二人は中庭のあまり人が通らない所にあるベンチに向かった。
学校に見学しに来た際にたまたま見つけた場所だ。
他の生徒には基本、教室か屋上や学食が人気でこういう辛気くさい場所は不人気のようだ。
「ふぅーここなら人も居なくて落ち着けるね」
「そうだな」
ベンチに座った二人は購買で買ったパンを取り出し食べ始めた。
「直輝はクラス委員長に立候補しなかったんだな」
「だって、クラス委員長なんてしたらゲームする時間が削られるじゃん」
「なるほどな」
「だから、部活もやらないつもり」
「そうか」
「蓮弥もやらないでしょ?」
「あぁ、興味ないな」
「それよりさ、今日ずっとNLGのことでもちきりだったねクラスの子たちの会話」
「そうだな、知らない風でいくぞ」
「うん、ゲームしてないって言ってるから大丈夫」
「俺は陰キャ成績優秀スタイルでいく」
「えぇー!?陰キャでいくの?」
「あぁ、一度やってみたかったんだ」
「そ、そうなんだ。僕は今まで通り優秀な生徒スタイルでいくよ。蓮弥みたいに器用じゃないからね」
「しかし、もう既にクラスカーストは決まっているな男子は」
「橋本君でしょ?あれも才能の1つだよねー」
「いつ崩壊するか楽しみだ」
「相変わらず性格悪いね蓮弥……」
「さて、教室へ戻るとするか」
昼食を食べ終わった二人は自分のスタイルを維持するために蓮弥はメガネをかけ、直輝はいつも通りの爽やかフェイスで教室へ戻るのだった。
「蓮弥メガネずっとかけてるよね高校入ってから」
「ブルーライトと紫外線カットのだて眼鏡だ目に優しいぞ」
「だて眼鏡かよ!」




