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【アニメ化決定!】真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです  作者: 鬱沢色素
三章

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310・聖女の悪の裁き方

 私たちは作戦の内容を話し合ってから、すぐにミツハちゃんに頼んで、城にいる人たちを大広間に集めてもらいました。



「どうされましたかな、聖女様? 我々をこう一箇所に集めるとは」



 サネモリさんが、訝しむように問いを発します。


 現在──大広間には私たち以外にも、ミツハちゃんとサネモリさん。さらに宮中印を持ち出すことが出来る、城内の要人が集まっています。

 みなさんは一様に不安そうな表情を浮かべ、私の言葉を待っているようでした。


「急にお集めして、すみません」


 みんなの前に立ち、凛として告げます。


「実は──この中に、赤影をアマツにもたらした犯人がいるかもしれないのです。犯人は赤影──いえ、その親玉だと考えられる《赤き災厄》をその身に宿し、完全体になることを待っているのです」


 そう言うと、この場にいるみなさんの間で動揺が広がります。

 すぐ隣にいる人が、事件の犯人かもしれない──そう考えたのでしょう。ざわざわと声や物音が立ち、お互いに一定の距離を保ち始めました。


「エ、エリアーヌ、それは真か?」


 ミツハちゃんの顔にも動揺の色が浮かびます。


「俄には信じ難い話じゃが……どうして、そのような結論に至った?」

「それは事件を解決してから、話しましょう。ここで、こちらの持ち札を全て明かす必要はありませんので」


 そう答えますが、大臣の一人が前に出て、


「バ、バカを言うな! 横暴すぎる! 私たちを疑うというのですか!?」


 憤った様子で声を上げます。


「控えよ。エリアーヌの言葉を疑うのか?」

「し、しかし、ミツハ姫……」

「話を聞いてみよう。エリアーヌ、お主の考えは分かった。じゃが、どうやって事件の犯人を探し当てるつもりじゃ?」


 怒りで顔を歪ませる大臣を宥め、ミツハちゃんは私に鋭い質問を放ちます。


()()をします。この中に、《赤き災厄》の器となっている人間がいるのですから。違う人間にはなにも起こりませんし、もし《赤き災厄》をその身に宿していた場合──浄化出来る可能性があります」


 と、私はミツハちゃんに考えを伝えます。


 みんなはまだ、戸惑った様子。

 しかし、ここで反論しては、自分が疑われるリスクがあると考えたのでしょう。

 渋々といった感じで並び、私たちは彼らに順番に解呪を施していきます。


「あなたも違いますね。次──」


 なにも起こらなかったのを見届け、次はシキさんが私の前に立ちます。


「お願いします」


 シキさんはなんの抵抗もなく、さっと手を差し出してきます。

 私は彼女の手を握り、解呪を発動します。


 すると……。


「……なにも起こりませんね」


 そう告げます。


 本当は、ここに来るまでに一足早く、シキさんの潔白を証明していました。


 だけど、シキさんだけ特別扱いしては、他の人に不信感を抱かせてしまうだけでしょう。

 ゆえに、これは決められたやり取りだったのですが……あらためて、シキさんが顔色一つ変えないことに、ほっと安堵の息を吐きます。


「無実が証明されて、よかったです」


 シキさんは淡々と言いその場から立ち去って──次はこの国の執政官、サネモリさんの出番。


「お手を」

「はい」


 促すと、サネモリさんもすぐに手を差し出します。



「……そもそも、この方法で本当に犯人を当てられるのかよ」



 サネモリさんに処置を施していると、城の近衛兵の一人がぼそっと声を零します。


「どういう意味だ?」

「いや……赤影には、浄化の力が通じなかったんだろう? なのに、今更解呪って……そもそも出来ないんじゃ?」


 あら、鋭い。

 やはり気付く人も現れますか。


 それに気付く人はまだ極々一部のようですが、あまり時間はかけられませんね。

 でないと、私の()に気付かれるかもしれないのですから。


「サネモリさんは、どう思いますか?」

「なにがですか?」


 急に問いかけられたことに虚を突かれたのか、サネモリさんが首を傾げます。


「私の解呪で、本当に犯人を見つけることが出来るのか……と」

「さあ、分かりません。ですが、聖女様の言うことなら、なにか深いお考えがあるのでしょう」

「その通りです」

「そんなことより、早く自分の身の潔白を証明してほしいです。どうです? もう、分かりましたでしょう?」

「はい……分かりました」


 そっとサネモリさんから手を離します。



 ──本来、私の解呪は赤影や《赤き災厄》に通用しません。

 そうでなくとも、犯人がみすみす私の言うことを素直に聞く必要もないのですから。



 ですが──。

 私は指を突きつけ、ゆっくりとこう口を動かします。





「犯人は、あなただったんですね──サネモリさん」

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