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第十六話 洗脳された勇者(見習い)

俺が相手にした魔族は、レベル45と43の労魔人だ。


労魔人って何だろうという疑問は常に持っているが、両親がお勧めしなかったJOBだ。


強いわけがない。注意するのは転移魔法を使う方だけでいいだろう。


まず俺は、レベル43の魔族に対して三段突きを行う。


カンカンカンと音がして槍がはじかれる。風魔法で防御か、単純だな。


攻略方法としては、奴の魔法スキルより強力な攻撃を当てれば問題ない。つまり力押しだ。


俺は、それで簡単に倒すことができると思うけど、リン達はそうはいかないだろう。


適当に魔族に対して攻撃を続け、相手に攻撃が届かないと思わせてみた。


レベル45の方は、転移というか瞬間移動みたいな感じで避けている。


出現場所は、俺の死角だ。


これも読みやすい。死角からの攻撃もくるとわかっていれば避けれるものだ。


「無駄だ。お前の攻撃は届かない」


「ち、こいつ上手く避けやがる」


動きをしばらく見ていたが、こいつら本当に四天王か。


レベルが低いせいもあってか雑魚にしか見えない。まあ、俺のレベルも低いけどな。


とりあえず、1匹倒すか。レベル43の風の魔法を使ってくる魔族は、攻撃すると風で防御する。


向こうが攻撃するときは風を手に纏って攻撃してくるから、防御してない状態だ。


つまり、カウンターで仕留めることができる。


そうは言っても、防御態勢に入る速度が早くて俺でないとカウンターを当てることができないだろう。


リン達では、無理なのでリン達でも倒せる方法でやってみた。


まずは槍で攻撃して風を纏わせる。そこに間髪いれずファイアだ。


球のイメージではなく火炎放射器のイメージで魔法を放つ。


もちろん温度はいつもより高温にしておく。


魔族の周りが炎の竜巻状態となり、内側の魔族は高熱と酸素不足の状態で苦しい状況になっているはずだ。


高熱から避けるのと酸素を身体に取り込むために魔族は風の魔法を止めるしかない。


「ぶふぉ」


呼吸をしようとしている無防備な状態に俺は、ライトスマッシュを叩き込む。


これで1匹消し去ることができた。


もう1匹の魔族は、俺が1匹の魔族を相手にしている時にでも攻撃を仕掛けてきていたが、全部槍ではじいてやった。


「何だお前、その技は。魔族が使っていい技違うぞ」


うん、俺もそう思う。ライトスマッシュ、怖ぇ技だよ。


他に魔槍師のJOB持っているやついたら要注意だよ。


さて、残り1匹どう倒すか。すばしっこいんだよな。


動きを重くする魔法とかあればいいのに。もしくは光速で動ける魔法とか。


まあ、ないもの言っても仕方ないな。しばらく本気のスピードで攻撃してみる。


たまに相手に掠ったりするが、転移で逃げられている。


今のレベルでは力押しは無理か。仕方ない、少し痛いが作戦変更といこう。


俺はその後も槍を突きまくって空振りしまくる。


そして疲れたふりをして、突きのスピードも落としていった。


息も切らし、体力も切れかけのようなフリをした。


相手も相当息を切らしているが、俺の動きが遅くなったことで自分が有利になったと思っているのだろう。


魔族が攻撃的になってきた。


魔族の攻撃を槍で避けようとしたところで、魔族の転移、死角からの攻撃をくらう。


「うぐっ」


「なぁんだ。もう疲れたのか。子供はこれだからな」


魔族は手刀を俺に突き刺したのが満足なのか余裕の笑みを浮かべていた。


その手が抜けないことに気付かずに。


身体に力を入れ、魔族が離れることができないようにした状態で、三段突き。


いや、ライトスマッシュだと繋がってる俺まで消える可能性あるかなと思っての三段突き。


ひたすら三段突き。あまりの威力に相手がボロボロになっていた。


死んでいるので魂もいただきました。


魔族の腕を抜いて、すかさず治癒Ⅲ。


急所を外して攻撃をくらったから、痛いだけでダメージはそれほどなかった。


しかし、転移持ちの魔族は少しやっかいだな。何か対策を考えないといけない。


リン達の魔族がどうなったか目をやると、ちょうど魔族を倒したところだった。


「リン、お疲れ様。自分よりレベルが上の魔族相手によくやったな」


俺は、リンの頭を撫でて褒めてやった。


「御主人さまのおかげです。御主人さまの戦い方を参考にしました」


「ほう、具体的にはどうしたんだ」


「御主人さまが、炎の魔法で相手を囲みましたので、私の方は魔法で作った炎の矢をたくさん撃ち続け、同じような状態にしました。もちろん、炎の温度は高めです。そして相手が風魔法を止めたときにオルガさんの真空斬で攻撃です。見事魔族の翼を傷つけたので落ちてきたところを2人でぼこぼこにしてやりました」


なるほど、リンに気付いてもらって良かった。まさに、正解だ。


「リンは賢いなぁ」


更に褒めるとリンは「もぉ、褒め過ぎです」と言って顔を赤くしていた。


「マオはさすがだな。2匹を同時にやり合えるのだから。私も更なる強さを求めて訓練しないとな」


「いやいや俺もまだまだですよ。少し時間かけてしまいましたからね」


実際まだまだだ。もっとレベル上げて頑張らないといけないのは俺も一緒だ。


さあ、早くミーナを探さないといけない。俺たちは迷宮の奥深くへと入っていった。


65階以降は、多少敵が強かったが、四天王ほどではないため、楽勝だ。


そして、70階。大広間に着く。大広間の奥には魔王が椅子に座っていた。


高さは6mくらいだろうか。魔眼スキルでステータスを確認する。


名前:アルビド・グレータ・デモン

種族:D魔族

スキル:洗脳Lv10、ファイアLv50、アンデッド生成Lv50、威圧Lv48、

称号:新人魔王

JOB:魔王Lv48

状態:傲慢


傲慢ね。そんな感じが離れていても十分感じられる。


ミーナはどこかなと探してみると……


いた。座っている魔王の足元にしなだれかかっていた。


雰囲気がいつものミーナと違う。明らかに洗脳されている。


ヤバイ早く魔王を倒さないと俺がおかしくなってしまいそうだ。


魔王は、俺たちが姿を現したと同時にアンデッドを生成していた。


アンデッド生成は、自分に忠実な部下を作るスキルで、命令通り動く人形みたいなものだ。


まあ、スケルトンを生み出しているだけなんだが。


わらわら生成していた。でもね~スケルトンのレベルはせいぜい20ぐらい。


生み出すのも50匹ぐらいが限度みたいだ。


これくらいならオルガ、リンでも十分に対応できるだろう。


俺は、一人魔王に突っ込んでいった。スケルトンを槍で薙ぎ払いながら、間を詰める。


すると魔王がミーナに何か言っている。


ミーナはその言葉を聞くとこくんと頷いて立ち上がる。


そして、俺を狙いにきた。最悪の展開だ。


「私とアルビド様の仲を邪魔するものは排除します」


ズガガガっときた。今、俺の心のHPは1になった。


ミーナが洗脳状態であることはステータスから分かる。


わかるけど、そんな言葉は聞きたくなかった。


心に大ダメージを受けた俺は、ミーナの攻撃にかろうじて反応して槍で防御するのが精一杯だった。


やべぇ、明らかに本気で殺りにきてたわ。


剣のスピードとか尋常じゃないんだが。


もしかして迷宮探索していて結構レベル上げしちゃってたかな。


名前:ミーナ・セルジロ

種族:人間(女性)

スキル:鑑定Lv20、ハヤブサ斬りLv39、防御Lv45

称号:盾を持つ者

JOB:勇者(見習い)Lv48

状態:洗脳(中度)


ミーナ、魔王と同じレベルじゃん。


JOBは勇者(見習い)だけど、俺を倒したら勇者になる勢いだな。

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