夕焼けの飛行船 3
「その子、可愛いの!?」
工藤さんがまるで自分のことのように嬉しそうな顔をした。
「まぁ……タイプかもしれない」
そう言いながら自分でも顔が真っ赤になっているのを感じた。
「いーなー! 久しぶりに来たと思ったら恋の悩みとは……恐れ入りました」
「茶化さないでくださいよ、本気なんだから……」
工藤さんはそれを聞くと更に楽しそうに頬まで赤くした。
「田辺君、さらっと言うじゃない。そうね~どうしようか……」
「工藤さんは変わりませんね。あの頃と」
工藤さんは驚いて目を丸くした。
「人間そう簡単には変わらないのよ。田辺君が未だに敬語を使っているようにね」
僕はハッとしたが、これから敬語を辞めようとは思わなかった。
工藤さんとはこの距離感が良い。
きっとそれが一番しっくりくる、そんな気がした。
「じゃあ今度ここに連れてくれば?」
「え?」
「その子空が好きなんでしょ? じゃあきっと宇宙も好きだよ」
言われるまで気が付かなかった自分が情けない。
星の家には普段からそれほどお客も居らず、平日の夕方となればほぼ貸し切り状態。
静かに過ごすにはもってこいの場所だった。
「そっか、ありがとうございます。明日誘ってみます」
「うん! 大歓迎だよ。私がバイト入ってる日にしてね!」
「どうしてですか?」
「良いから! サービスするよ」
工藤さんは任せなさいと言いながら胸を張った。




