表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残響の庭  作者: とま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/120

第65話「対策会議」

 緊急対策会議が招集された。


 桜の園の上層部、残響管理局の担当者、そして柊と玲。


          ◇


「状況を説明してください」


 沢渡が言った。


「Cブロックを中心に——異変が起きています」


 玲が報告した。


「活性化した残響は——全員、『帰りたい』という感覚を報告しています」


「帰りたい——どこに?」


「わかりません。本人たちも——わからないと言っています」


 会議室がざわついた。


「原因は?」


「仮説ですが——存在意義の喪失」


「存在意義——?」


「残響は——遺族と会うことで、存在の意味を感じています。でも、面会が減ると——」


 玲はデータを表示した。


「活性化した残響の面会頻度は——平均して、半年前の三分の一以下になっています」


「面会が減ったから——存在意義を見失った?」


「そう考えています」


 沢渡は眉をひそめた。


「対策は?」


「いくつか、考えられます」


 玲は資料を配った。


「一つ目——遺族への働きかけ。面会頻度を上げてもらう」


「それは——強制できない」


「わかっています。でも、促すことはできます」


「二つ目は?」


「残響同士のコミュニティ強化。残響が——互いに支え合えるようにする」


「具体的には?」


「VR空間内での交流イベント。残響同士が——顔を合わせる機会を増やす」


 沢渡は頷いた。


「三つ目は?」


「最後の手段ですが——成仏の希望に、迅速に対応する」


「成仏——」


「残響が——存在を続けることを望まないなら、その意思を尊重する」


 会議室が静まり返った。


「それは——最後の手段だ」


「わかっています。だから——まずは、一つ目と二つ目を試したい」


 沢渡は考え込んだ。


「わかった。やってみろ」


          ◇


 会議後、柊と玲は二人で話し合った。


「本当に——うまくいくかな」


「わからない。でも——やるしかない」


 玲は窓の外を見た。


「残響たちは——今、不安定な状態にある。放置すれば——」


「ああ——」


「柊——」


「何?」


「お母さんの残響も——同じだったのかな」


 柊は少し考えた。


「同じ——?」


「『私はここにいない』と言った時。存在の意味を——見失ってたのかな」


「……多分」


「でも——お母さんは、柊がいたから。毎日、会いに来てくれる柊が」


「ああ——」


「だから——真実を知った後も、存在を続けられた」


 玲は柊を見た。


「遺族との繋がりが——残響にとって、どれだけ大切か」


「……」


「今回の異変は——それを、改めて示してる」


 柊は頷いた。


「遺族に——働きかけよう。面会の大切さを——伝えよう」


「ええ」


「残響たちも——支え合えるようにしよう」


「そうね」


 二人は——顔を見合わせた。


「一緒に——頑張ろう」


「ああ——」


 新たな課題が——目の前にあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ