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落ちこぼれ美少女たちを再設計したら、全員最強になった件  作者: 白石ロジック


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4/6

二人の美少女に挟まれて歩くことになった件

第4話です。


今回は日常+距離変化回です。


ちょっとだけ恋愛要素が入ってきます。

翌日。


まだ朝だというのに、学院は妙に騒がしかった。


視線が多い。


廊下を歩くだけで、それが分かる。


「あの人……」

「昨日の……」


小さな声が、あちこちから聞こえてくる。


——面倒だな。


俺は気にせず歩く。


こういうのは放っておけばそのうち消える。


「……いた」


後ろから、小さな声がした。


振り返るまでもない。


「おはようございます!」


少し弾んだ声。


ルナだ。


「早いな」


「はい!」


ルナはすぐ隣に並ぶ。


少しだけ距離が近い。


「昨日の、すごかったです!」


「そうか」


「はい! エリスさんが、あんなふうに……」


そこまで言って、ルナは少しだけ言葉を止めた。


「……なんか、変でした」


「変?」


「はい」


ルナは少し考えてから言う。


「嬉しそう、というか……」


「楽しそう、というか……」


——ああ。


「そういうもんだ」


俺はそれだけ答えた。


「できなかったことが、できるようになる」


「それだけで十分だ」


「……はい」


ルナはうなずく。


その横顔は、どこか少しだけ柔らかい。


しばらく歩く。


「……あの」


ルナが、少しだけ小さな声で言った。


「今日も、来ますよね?」


「ああ」


「……よかった」


ほんの一瞬、表情がほどける。


——分かりやすいな。


そのとき。


「……朝からずいぶん仲がいいのね」


冷たい声が割り込んだ。


足が止まる。


見なくても分かる。


「エリスか」


「ええ」


前に立っていた。


昨日と同じ制服。


だが、視線が違う。


まっすぐこちらを見ている。


逃げも、迷いもない。


「来たわ」


短く言う。


「言われた通り」


「そうか」


「えっと……」


ルナが少し戸惑ったようにエリスを見る。


空気が、わずかに張る。


「……何?」


エリスがルナを見る。


少しだけ棘のある視線。


「い、いえ……」


ルナは慌てて首を振る。


「なんでもないです」


「そう」


それだけ言って、エリスは再び俺を見る。


一歩、近づく。


「……今日もやるんでしょ」


「続き」


「ああ」


「なら」


エリスは一瞬だけ言葉を止めた。


ほんのわずかに、視線が揺れる。


「……ちゃんと見てて」


「昨日みたいに」


ルナが小さく息を呑む。


俺は特に気にせず答える。


「見るに決まってるだろ」


「教えてるんだからな」


「……そう」


エリスは短く返す。


だが、その声は昨日よりもわずかに柔らかい。


——変わったな。


ルナが、ちらりとこちらを見る。


何かを言いたそうにして、

結局、何も言わない。


「行くぞ」


俺が歩き出すと、

二人が自然についてくる。


左にルナ。


右にエリス。


無言のまま、歩く。


だが——


空気は、昨日とは違っていた。


静かに、

少しだけ、


変わり始めている。


教室に入ると、昨日よりも人が増えていた。


明らかに見物だ。


「……まだいるのか」


俺は気にせず前に出る。


「やるぞ」


エリスがすぐに前に出た。


昨日より迷いがない。


「昨日の続きよ」


「ああ」


「まずは“形”」


「小さく」


エリスは静かにうなずく。


目を閉じる。


呼吸を整える。


そして——


手の上に、火が灯る。


小さい。


だが、安定している。


「……できてる」


ルナが小さく呟いた。


「ああ」


俺は短く返す。


「そのまま“流れ”を作れ」


エリスの指先が、わずかに動く。


火が、ゆっくりと回り始める。


揺れない。


崩れない。


「次」


「少しだけ、増やす」


エリスは集中したまま、力を込める。


火が、ひと回り大きくなる。


それでも形は崩れない。


「……っ」


周囲がざわつく。


昨日とは明らかに違う。


「いい」


俺は一歩近づく。


「そのまま維持しろ」


「……はい」


エリスの声が、わずかに変わる。


反発ではない。


素直な応答。


——早いな。


「少しだけ、出力を上げる」


「崩すなよ」


「……分かってる」


エリスは小さく息を吸う。


火が、さらに強くなる。


それでも——


崩れない。


「……できてる」


今度は、エリス自身が呟いた。


その瞬間。


ふっと、集中が切れた。


火が、わずかに揺れる。


「っ……」


エリスの体が、ぐらりと傾く。


「危ない」


ルナが思わず声を上げる。


俺はすぐに手を伸ばした。


エリスの手首を、軽く掴む。


「力抜け」


「呼吸」


「……っ」


エリスの動きが止まる。


呼吸が整う。


火が、すっと安定する。


数秒。


そのまま維持して——


やがて、消えた。


静寂。


「……今の」


エリスが、小さく言う。


「崩れかけた」


「ああ」


「原因は?」


「意識だな」


俺は手を離す。


「“できてる”と思った瞬間、崩れた」


「……」


エリスは黙る。


そして、ゆっくりとうなずいた。


「……確かに」


その様子を、ルナがじっと見ている。


さっきの一瞬。


俺がエリスに触れた場面。


「……」


何かを言いかけて、やめる。


視線が、ほんの少しだけ揺れる。


「もう一回やる」


エリスが言った。


「今度は崩さない」


「ああ」


俺はうなずく。


エリスが再び手を上げる。


その横で、ルナが少しだけ距離を詰めた。


何も言わない。


ただ、少しだけ近い。


——分かりやすい。


俺は気にせず、エリスを見る。


「始めろ」


小さな火が、再び灯った。


小さな火が、再び灯る。


今度は——揺れない。


エリスの呼吸は一定で、

視線もぶれない。


「……そのまま」


俺は短く言う。


火は安定したまま、

ゆっくりと回り始める。


形は崩れない。


「増やす」


エリスが、自分で判断して力を込める。


火が大きくなる。


それでも——


崩れない。


「……できた」


小さく、だがはっきりとした声。


周囲が静まり返る。


「ああ」


俺はうなずく。


「それが基準だ」


「……基準」


エリスが、その言葉を繰り返す。


「そう」


「そこから上げていく」


「……」


エリスは、自分の手をじっと見つめた。


そして——


ゆっくりと、顔を上げる。


「……できる」


その声には、迷いがなかった。


「できるわ」


俺はそれ以上何も言わない。


言う必要もない。


「今日はここまでだ」


俺がそう言うと、教室の空気が緩む。


だが——


「待って」


エリスがすぐに言った。


足を止める。


「……明日も」


少しだけ言葉を選ぶようにして、


「……来るわよね」


俺は振り返る。


「来る」


「当たり前だ」


「教えてるんだからな」


「……そう」


エリスは短く返す。


だが、その視線は外れない。


ほんの一瞬だけ、


何かを確かめるように、こちらを見る。


「……ちゃんと」


小さく、続ける。


「私のこと、見てて」


ルナの肩が、ぴくりと動く。


空気が、わずかに張る。


「見るに決まってるだろ」


俺は何も考えずに答えた。


「教えてる間はな」


「……そう」


エリスはそれだけ言って、

視線を外した。


だが、ほんの少しだけ——


口元が緩んでいた。


「……帰りますか」


ルナが小さく言う。


さっきより、少しだけ距離が近い。


「ああ」


俺は歩き出す。


廊下に出ると、

夕方の光が差し込んでいた。


そのまま歩く。


左にルナ。


右にエリス。


無言。


だが——


二人の距離は、昨日よりも確実に近い。


そして、


互いに、わずかに意識している。


——まあ、いい。


俺には関係ない。


やることは一つだ。


「明日もやるぞ」


それだけ言う。


二人が、同時にうなずいた。


夕焼けの中、

三人で歩く。


静かに、


少しずつ——


関係が、形になり始めていた。

読んでいただきありがとうございます!


今回は距離が近くなる回でした。


少しずつ関係も動き始めています。


ここからどうなるか、引き続き見てもらえたら嬉しいです!

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