48話:合同実習開始
グランドに集まった生徒達で、ざわざわとしている。
みんな、事前に組んだパーティーで集まって、段取りや打ち合わせに余念がない。
それも仕方がないだろう。
俺達、無職組以外の科は今日が初めての探索らしい探索になるからだ。
そういう俺のパーティーも、例外ではない。
「え〜と、みんな……ちょっと落ち着こうか」
俺がこういうのも仕方がない。
だって、まだダンジョンにも入ってないのに武器を構えてるんだぜ。
どう見ても、ガチガチに緊張している。
隣を見れば、姫川のパーティー。
こちらも緊張しているのか、姫川が落ち着かせようと四苦八苦している。
うん、わかる。わかるぞ!
俺の視線に気付いた姫川が睨んでくる。
その時、グランドに設置されたスピーカーから声が流れる。
『あ〜、あ〜、ひよっこ共。おはよう、今日は絶好の探索日和だな』
東雲先生の声だ。
『と言っても、ダンジョン内は天気が決まってるから関係ないだけどな!あはは!』
グランドが静まり返った。
スベリ散らして、場を沈めるその手腕に俺は感服した。
『おい!御堂、沈めたんじゃない!静めたんだ!』
何故、ピンポイントでツッコめる!?
『それじゃあ、出入り口に近いパーティーから移動しろ』
東雲先生の指示に従い、パーティーが移動していく。
その瞬間だった。
グランドのスピーカーが、もう一度鳴る。
『あ、そうだ。言い忘れてた』
東雲先生の声。
嫌な予感しかしない。
『毎年、このダンジョン実習では死人が出てるから気をつけろよー』
進み始めていた全員の足が止まる。
「う、嘘だよね?」
呟いたのは補助科の島袋さん。
顔色が真っ青になっているが、それは彼女だけじゃなかった。
俺は慌てて、訂正する。
「死人が出るってのは東雲先生のただの脅しだから」
……たぶん。
「本当に出るんだったら、こんな実習やらせないって!」
なんとか、気持ちを持ち直してくれた。
「そ、そうだよね」
顔色は戻ったが、だが手は僅かに震えている。
「ああ、それに俺がいるから安心してくれ」
そう言ってみせると、島袋さんは不安そうな顔のまま、小さく頷いた。
だが――。
「……あんた」
後ろから、じとりとした声が飛んでくる。
振り返れば、腕を組んだ姫川が引きつった笑みを浮かべていた。
「その台詞、死亡フラグっぽいわね」
「縁起でもないこと言うなよ!」
「あんたが言い出したんでしょ」
俺と姫川の掛け合いで、周囲から少しだけ笑いが漏れた。
強張っていた空気が、ほんの僅かに和らぐ。
……よかった。
正直、俺も緊張していたからな。
そんな中、列がゆっくりと前へ進み始める。
俺や姫川は通い慣れ始めた施設。
うざい研究者は視界に入れないように進む。
そして、俺達の番が来た。
「みんな、俺について来てくれ」
小さくみんなが頷く。
確認した俺は普段通りにダンジョンへと続くゲートを潜った。
その背中に自信を掲げて。




