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なんだかんだ4人で話をしていたら、朝食の時間になったため食堂に移動した。
食堂
「でさ、もぐもぐ・・・今日は何するー?もぐもぐ」
「ジェシカ~、もぐもぐしながら喋るとお行儀悪いよ~」
「全くだ」
「口の端、汚れてますよ(ふきふき)」
「あ、ありがとー、クルトー」
あ。
ついリムと一緒に食事をしていたときの癖で、ジェシカさんの口の汚れを布巾で拭ってしまった。
「く、クルちゃん~・・・?」
「おいおい・・・」
「何よ、二人とも、変な顔しちゃってさ」
「だ、だって~、今クルちゃんが~、ジェシカの~」
「まるで兄姉か・・・恋人同士みたいだったな・・・」
「え?・・・・・・・・ほわぁあああああ!!!さりげなさすぎて華麗にスルーしてしまった!!!!」
「(びくっ!!)」
「クルちゃん~?私も口の周り汚れちゃったの~」
「テレーズ、便乗する必要はないんじゃないか?」
「あ、あの、すいません!!よく妹にやっていたもので、つい・・・はい、テレーズさんも」
「随分と大きな妹ができたな、クルト・・・プププ」
「く・・・恥ずかしさで顔から火が出る勢いよ・・・ベアは後でシメる!」
「クルちゃんありがと~。ほんと良く出来た優しい子だね~なでなで」
「な、なんか、すいません!!」
ほんと、一緒にいて賑やかでいいなぁ。
・・・ていうか僕も、相手が年上だっていう認識が薄らいできちゃってるな・・・
ちゃんと、人間関係を把握しないと・・・あとできっと後悔するんだ・・・
朝食後
「で、だ。本題に戻るぞ。今日はどうする?」
「宝探し!!ほら・・・最近あやしい人から買った宝の地図があるのよ・・・ここから近くにある山があやしいのよ!」
「お菓子作りがいいな~」
「(意見言いづらいなぁ・・・)」
「俺は・・・別になんでもいいな。」
「宝探し!」
「お菓子作り~!」
「・・・」
「ふ・・・クルト、良く分かったな。大体、この二人がやりたいことをやるってのが、いつもなんだ・・・」
「ベアさん・・・」
「ま、俺に任せな」
こういうときって、絶対女性の意見が採用されてしまうのはなぜなんだろう。
でも、宝探しにお菓子作りじゃ、間逆すぎるな・・・
「ちょっとテレーズ!お菓子なんていつでも作れるじゃない!私の宝探しなんて、今行かないと誰かに先こされちゃうかもしれないのよ!?」
「宝探しなんて危ないよ~、みんなでのんびりお茶会しようよ~」
「二人とも、そこまでだ。今日はクルトの初非番の日だぜ?クルトのやりたいことやるってのはどうだ?」
「え?あ、そうだったっけ?」
「あ~、そっか~、今日はクルちゃんの記念すべき初非番の日だったっけ~」
「ジェシカもテレーズも良い歳なんだから、もうちょっと大人としての余裕を見せないと、クルトに呆れられちまうぜ?」
「ちょっとベア・・・良い歳ってところが気になったけど・・・クルトに免じて今回だけ許してあげるわ・・・」
「ベアだって~、オジサンのくせに~」
「ほら、クルト、お前がやりたいこと言えよ?」
「ベアさん・・・えっと、じゃあ・・・」
「(宝探しって言えヒソヒソ」
「先生~、不正行為をしてる人がいます~」
「ほいほい、ジェシカはクルトの半径5メートル以内に近づくのは禁止だ」
「こらー!離せベア!セクハラだ!痴漢だ!」
「あ、はは・・・」
「僕は・・・街に出てみたいです!」
ジェシカ・ベア
「「街だってーーー!!!」」
テレーズ
「街~だって~」
「あ・・・そっか、クルト、もしかして街に出たことないとか?」
「えぇ、まぁ、そうなんですよ」
「王族も大変だな・・・しかし、この国の王子だとはいえ、大丈夫かな、街に出て」
「きっと大丈夫ですよ!・・・王子が力を持っていない国ですから露出もしたことないし・・・国民にも顔は知れ渡っていませんし・・・」
「クルちゃん~・・・」
「クルト・・・よし、分かった!ジェシカ姉さんに任せなさい!!私が、このアイネリア国の城下町を120%楽しませてあげる!!」
「ジェシカに任せると不安で仕方ないが・・・まぁこの国も栄えている部類に入るからな。ただブラブラしてるだけでも、楽しいもんだ」
「食材屋とか服飾のお店とか色々教えてあげる~。欲しいものがあったら何でも私に言ってね~なでなで」
「みなさん、ありがとうございます!よろしくお願いします!」
思いがけず、街に出るチャンスがきた。
一回、行ってみたかったんだよな。
出れないかな、とは思っていたけど、よくよく考えれば顔も割れていないし、名前だって公表されていないんだ・・・
ていうか・・・王族なのに名前すら公表されない王子って・・・どんだけこの国は・・・
いや、やめよう。
騎士団員居住区
「じゃ、ちょっと着替えてくるから、あとで城門に集合ね!」
「おう、じゃ、また後でな」
「分かりました!」
「クルト!アタシの着替え、絶対覗きに来いよ!鍵開けとくからね!」
「ジェシカ~、普通~、覗きに来いなんて言う人いないよ~」
「はい!分かりました!」
「え?・・・いや、あの、半分冗談だったんだけどさ・・・べ、別にクルトがどうしても見たいっていうなら、い、いいんだけど・・・アセアセ」
「クルちゃん~?どうせ覗くなら私の方が胸大きいから楽しいとおもうよ~?」
「ちょっとテレーズ!少しばかり普通より胸が大きいからってアピールしてんじゃないわよ!・・・私は平均的な大きさだけど、美しい乳と書いて、美乳!!ってやつよ!」
「おいおい・・・二人して大声で恥ずかしいこと言い合わないでくれ・・・クルトが困ってるぞ」
「すいません!冗談でした!!」
ジェシカ・テレーズ
「「え~~~~!?!?」」
冗談で言ったことに対して、ここまで反応してもらえると、ちょっと嬉しかった。
それだけ、溶け込んでいるっとことかな。
ジェシカさんの可愛いところとか見れて、なんだか楽しかった。
城門前
「お待たせ!」
ジェシカさんはカジュアルな服装だった。
ただ、ミニスカートから覗く綺麗な足が目に眩しかった。
それにしても短い。段差とかで後ろから絶対見えちゃう気がする。
「お待たせしました~」
テレーズさんは、良家のお嬢様ちっくな、ふわふわのロングのワンピースだった。
ロングスカートっていうのは、魔性の魅力がある。
そう思ってるのは僕だけかな。
少し窮屈そうな胸と、ほんわかした雰囲気が、男の何かを駆り立てている気がする。・・・僕だけかな。
「おし、これで全員揃ったな」
ベアさんは・・・別にいっか。
ごっついマッチョな人って感じだ。タンクトップが似合い過ぎてる。
「はい!」
僕は・・・可もなく不可もなくって感じかな。
・・・王子として支給された服は、一般市民と同じものに近かったし・・・問題ないだろ。
「クールトー?お姉さんの足ばっかり見ちゃってどうしたのかなー?パンチラチャンスでも狙ってるのかな?フフフ」
「靴紐、ほどけてますよ」
僕はジェシカさんの前で膝を付き、靴紐を結んであげた。
「ありゃ!こりゃまた恥ずかしいところを見せてしまったね!」
「いえいえ・・・あ」
結び終えたときに顔を上げたら・・・見えてしまった。
「(クルト・・・善意の行為のあとの幸せを掴みやがった)」
「(む~、ジェシカのくせに~)」
「ジェシカさん、すいません!」
「え、え?な、何々?なんでいきなりクルトは謝ってるの?」
「見てしまいました!」
「見たって・・・まさか・・・」
「本当にすいません!!」
なんで正直に言ってるんだろう、僕・・・
「あ、え、あ、アウアウ(真っ赤)」
「はいはい・・・ジェシカも靴紐くらいちゃんと結んでなかったのが悪いし、そんな丈の短いもの履いているのも悪いんだぞ」
「クルちゃん~!口直しに私の下着見といた方がいいよ~?そのままにしとくと~、後で目が腐っちゃうよ~?」
「ち、ちちち、ちょっとテレーズ!目が腐るって何よ!ちゃんと昨日お風呂入ったし、ちゃんと洗ってあるお気に入りのパンツ履いてるっちゅーの!!」
「ジェシカ・・・あんまり女性がそういうことを言うのは良くないと思うぞ・・・で、クルト、何色だった?」
「はい!赤でした!」
「クーーールーーートーーー!!!!!!なんでアンタはバカ正直に答えるのよーーーー!!!!!」
しばらく、顔を真っ赤にしたジェシカさんに追い掛け回された。
テレーズさんもベアさんも、大笑いしていた。
ジェシカさんもそのうち笑顔になっていた。
・・・僕も楽しかった。
言葉の掛け合いとか、色々。
こんなこと今まで無かったし・・・
本当に・・・これが普通の日常ってやつなのかなぁ・・・




