第4章の13
「どう、マタタキ。コントロールできそう?」
俺が尋ねると
「うーん、何か飛んでるというよりも、空に引っ張られてるっていう感じかなあ。気を抜くとすぐに大きな翼をイメージしてしまうのです。」
うーん、これ、小さな羽がとっさの状況でイメージできるかだよな。マタタキは車が突っ込んでくるタイミング知らないからな。たとえ車を避けられても、ものすごい高さまで舞い上がるかもしれない。その後、落ちてしまったら・・・。
まだ、これが正しい選択だと自身をもって言えんわ・・・。
「最後に3つめをやろう。瞬間移動の能力だ。ただ、ちょっと試すの待ってね。」
急に試されて、どこかよくわからない国にでも飛ばされたりしたらたまらん。まあ、明日は日本で車と遭遇するからそんなに遠くに行くことはないと思うが。
「おい、メガネ。お前の出番だ、ありがたく思え。」
「はっはっは。君は今から奇跡を見ることになるよ。」
「ただのGPSだろ。早くマタタキにつけろよ。もったいぶるな!」
ハバタキはイモ虫の形をした小型の装置をマタタキの袖につけた。もう形については触れない、スルーだ。
ハバタキが手元のレーダーで装置が正常に作動していることを確認したのを見て、俺はマタタキに告げた。
「よし、イメージするんだ。行きたい場所を。ただし、宇宙とかナントカ王国とかはやめろよ。」
「らじゃ!」
マタタキは目を瞑り、静かになった。うーん、この時は変な呪文は言わないんだな。
・・・そんなことを考えているうちにマタタキの姿は消えた。
「成功したみたいだな。ただどこにいるのやら・・・。さあ、メガネさん回答をお願いします。」
「はっはっは。彼女は今、我々の半径10m以内にいるよ。すなわち家の中ということだ。」
なぬっ!? 案外手堅いことするんだなマタタキは。まあいいわ。とにかく探してみよう。
俺は我が家を、風呂場、トイレを含め、隅々まで散策した。
だが、家中探してもマタタキの姿は見つからない。一体どういうことなんだ、これは。
「おい、その装置正確なんだろうな。半径10mじゃなくて10kmなんじゃないか?」
「はっはっは。10mが10cmになることはあってもその逆はないよ。この僕を信用してくれたまえ。」
くそう、こいつの自信がすごく腹立たしい。
「あのう・・・。マタタキちゃんなんですけどね。」
ティタさんが突然話しはじめた。
「ずっと、ここにいますよ。瞬間移動はしてないと思います。」
「・・・」
「えええ!」




