第4章の14
「えーとですね、正確に言うと体はここにいるのですよ。中身がどっかに飛んでいっちゃってるということなんです。」
「俺には姿が見えないんだけど、透明になったってこと?」
「そうなんです! ほら、ちょっとここに触れてみてくださいな」
俺はティタさんの指差す場所に手を当てた。
すると、確かに何かに触れた感触があった。もう少し手を伸ばして触れてみると肩のような滑らかな曲線を感じ取ることができた。
ただ・・・人間の形は感知できるのだが、生きた人に触れているような感覚がない。そう、人間は触れると何かしら反応を返してくるものなのだが、それが全くないのだ。
俺は恐る恐るティタさんに聞いてみた。
「まさか、死んでるってことはないよね・・・」
「大丈夫ですよ。ほら心臓がばくばく動いてます。かわいい呼吸もしてますよ」
「よかった。でもさ、結局魂はどこに飛んでいったの?」
「さあ、まったくわからないんですよー。ミズサキはマタタキちゃんが好きそうな場所とか知らないのですか?」
あいつの好きそうな場所・・・ああ、1つしか思い出さないわ。
「はっはっは。どうせオグラ堂だろう。僕はカスタード大福3つでいいよ、テカリン」
「お前が行って来い。走ってくるんだぞ。何か加速する装置とか使って。ついでにレモン大福3つだ。」
俺たち幼馴染の感が一致したのだから、まず間違いなくマタタキの魂はそこにいるだろう。
だが、・・・どうやって魂を体に戻すんだ?
「ティタさん、これどうやって元に戻すの?」
「さあ、わたしにはさっぱりです。」
「そんな、冷たいこと言わずにさあ、何とか助けてよ。」
「もう、しょうがないですね! じゃあ特別ですよ。」
ティタさんはいそいそと居間に行くと、電話をかけ始めた。
おいおい、プッシュする桁多くないか?
「あ、アトろん。昨日はお世話さま。早速なんだけどね、瞬間移動失敗しちゃいました。だ・か・ら、魂の戻し方教えてくださいな!」
ロシアに電話してるのかよ!!




