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黄金比  作者: 空と雲
15/22

【15】 そして

つ、ついに、真相が語られるか……!?

何かありそうでない(多分)第15コマ目すたーとー

 私は息を大きく吸い込んで、大きく一歩を踏み出した。

 ……と、次の瞬間。


「うわぁあああっ!!」


 肩をぐわんと掴まれた。


「いだだだだだっ」

「うるさい。黙れ」

「黙れとはなに……って、浮受さん?」

「ああ、俺だ。浅墓浮受だ」


 知ってますとも。そりゃあ。


「今ちょっと立て込んでるんで、あっちに行っててもらえないですか?あなたがいるとちょっと面倒なコトになりそうなので……」

「それはいい。――おい、馬央位」


 浮受さんは、空洞化した馬央位さまに呼びかけた。


「な、に」

「あーあー、そんなダリぃ顔すんなって」

「だか、ら、なに」

「……帰るぞ。事務所に」

「え……」

「え?」


 なんだろう、一瞬馬央位さまに、とある感情が浮かんだ。


「帰る、の?」

「ああ。用はもう済んだだろ。そこの雪臣さまとかいう子供とも十分遊んでたみたいだしな。それとも、もっとココに長居したかったのか」

「……ううん」


 馬央位さまに、『ココロ』が少しずつ戻っていく。

 浮受さんが馬央位さまの肩を抱いた。


「じゃ、いくぞ」

「うん……」


 私は一度難駄さまに礼をして、2人の後に続いた。

 結局あの件は、なんにも解決していないようなんだけど……今はそんなこと言ってる場合じゃないもんね。


「浮受……」

「あ? なんだ」

「ありがと」

「……礼は要らん。それより、もうすぐ着くぞ」

「うん……」


 2人の会話になんだか入ってはいけないような気がして、私はその後の帰り道も、その後ろをそっと離れて歩いた。

 そして、目的地に到着。


「着いたぞ」

「うん」

「着きましたね」


 かろうじて話に入っていけたものの、次なる言葉が浮かんでこない。黄昏の空が、重たくのしかかってきた。

 そもそも、あんな暗い話をしたあとなんだもの。私はおとなしく帰るってのが正しい選択じゃないの。事務所に行こうって言ったのは浮受さんだし。まあ、浮受さんの事務所なんだから……って、そういえばココ、初めて来るなぁ。


「じゃあ、入るか」

「うん……」

「あ――――――っ!!」

「どうした凪原」

「あっ、あのっ。私、なんかお邪魔みたいなので、お先に帰……」

「……えっ、ナギ、帰っちゃうの……??」


 えっ(嬉)


「ナギがいないの嫌ー! ナギ、帰っちゃ嫌ー!」


 突然駄々をこね始めた馬央位さま。まだちゃんと『ココロ』を取り戻していないからかもしれないけど、私の心を動かすには十分だった。


「じゃあ、お言葉に甘えて」


 不謹慎にも心が弾んでしまった……。


つづきます。

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