【15】 そして
つ、ついに、真相が語られるか……!?
何かありそうでない(多分)第15コマ目すたーとー
私は息を大きく吸い込んで、大きく一歩を踏み出した。
……と、次の瞬間。
「うわぁあああっ!!」
肩をぐわんと掴まれた。
「いだだだだだっ」
「うるさい。黙れ」
「黙れとはなに……って、浮受さん?」
「ああ、俺だ。浅墓浮受だ」
知ってますとも。そりゃあ。
「今ちょっと立て込んでるんで、あっちに行っててもらえないですか?あなたがいるとちょっと面倒なコトになりそうなので……」
「それはいい。――おい、馬央位」
浮受さんは、空洞化した馬央位さまに呼びかけた。
「な、に」
「あーあー、そんなダリぃ顔すんなって」
「だか、ら、なに」
「……帰るぞ。事務所に」
「え……」
「え?」
なんだろう、一瞬馬央位さまに、とある感情が浮かんだ。
「帰る、の?」
「ああ。用はもう済んだだろ。そこの雪臣さまとかいう子供とも十分遊んでたみたいだしな。それとも、もっとココに長居したかったのか」
「……ううん」
馬央位さまに、『ココロ』が少しずつ戻っていく。
浮受さんが馬央位さまの肩を抱いた。
「じゃ、いくぞ」
「うん……」
私は一度難駄さまに礼をして、2人の後に続いた。
結局あの件は、なんにも解決していないようなんだけど……今はそんなこと言ってる場合じゃないもんね。
「浮受……」
「あ? なんだ」
「ありがと」
「……礼は要らん。それより、もうすぐ着くぞ」
「うん……」
2人の会話になんだか入ってはいけないような気がして、私はその後の帰り道も、その後ろをそっと離れて歩いた。
そして、目的地に到着。
「着いたぞ」
「うん」
「着きましたね」
かろうじて話に入っていけたものの、次なる言葉が浮かんでこない。黄昏の空が、重たくのしかかってきた。
そもそも、あんな暗い話をしたあとなんだもの。私はおとなしく帰るってのが正しい選択じゃないの。事務所に行こうって言ったのは浮受さんだし。まあ、浮受さんの事務所なんだから……って、そういえばココ、初めて来るなぁ。
「じゃあ、入るか」
「うん……」
「あ――――――っ!!」
「どうした凪原」
「あっ、あのっ。私、なんかお邪魔みたいなので、お先に帰……」
「……えっ、ナギ、帰っちゃうの……??」
えっ(嬉)
「ナギがいないの嫌ー! ナギ、帰っちゃ嫌ー!」
突然駄々をこね始めた馬央位さま。まだちゃんと『ココロ』を取り戻していないからかもしれないけど、私の心を動かすには十分だった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
不謹慎にも心が弾んでしまった……。
つづきます。




