【14】 雪臣様と馬央位様③
一連の話を聞いて、真相を確かめに行った私。
でも、これって本当の話なの……??
貴方の中の何かが打ち砕かれる、第14コマ目開始。
「さあ、白状してもらおうか。あの時、雪臣を薄暗い部屋に連れ込んだのはお前なんだろう?」
沈黙。
沈黙。
沈黙。
沈黙。
沈m……いや、ただの沈黙ではなかった。さっきまでずっと笑顔だったはずの馬央位様から表情が消えた。
「馬央位……さま??」
「ナギは、どう思ってるの」
「え?」
今まで見たことのないような真白な表情で、馬央位様が言った。いや、違う。馬央位様じゃない。
こんなの、違う。
――――そう、私の中の私が心で悲鳴をあげていた。
「ボクが、ユキくんを、本当に、連れ込んだ、って、思って、るの」
「そ、そんなこと思ってなんか……!」
「じゃ、あ。なん、で、そんな、に、焦っ、て、るの」
気のせいなんかじゃない。馬央位様の声が、途切れて聞こえる。
「なん、で。なん、で」
「なんでもよ!!!」
もう、何もかもが変わってしまったように思えた。馬央位様は、もう、私が知っているような人物ではない。中身がカラになってしまった、空洞みたいだ。今私の目の前にいるのは、中身が持って行かれたカラの所長。機械が壊れたように、何度も何度も。何度も言って、何度も何度も。
笑顔が消えた瞬間、馬央位様は見えないもう一人の自分に、自分を乗っ取られたんだろうな……って、思った。これは恐らく直感以外の何物でもない。
私は息を大きく吸い込んで、大きく一歩を踏み出した。
つづきます。




