【13】 雪臣様と馬央位様②
とんでもない事実(??)が発覚してしまった。
ここから何かが動き出す予感。
――――――第13コマ目スタート。
「そちらの探偵様こそが、その人物なのではないか、と踏んでいる」
私は一瞬、意識が飛びそうになった。
「……あの、それはどういうことですか」
「言葉通りだ。彼が、闇組織と関わっていたのではないか、ということだ」
「根拠は」
「俺の知る限りでは、雪臣の寝言でしか確証を得ない」
「――――だったら……」
「ん?」
「だったら、軽々しく、それがウチの所長だって決めつけないでください!!」
馬央位様が、そんな危ない組織と関わっていたなんて、信じたくない。馬央位様は絶対そんなことしない。
「キミこそ、そのありふれた自信はどこからくるんだい?」
「……わたしは」
私は、馬央位様のことをまだ全部は知りません。
「だけど!」
でも、ここ数カ月付き合ってきた中で、わかってきたんです。
「馬央位様は、決して……人を傷つけたりしないって」
そう、信じてきたんです。
「馬央位様は、私達オフィスで働く人たちの、妖精なんです」
「妖精……ねぇ」
難駄様は、少しだけ俯いて何かを考え込むそぶりを見せた後、顔をクイッとあげて薄気味の悪い笑みを浮かべた。
「妖精……まあ、見た感じ彼はそうかもしれない。でも、キミはなぜそこまでして彼を庇う? 同じ事務所で働く同士だからか?」
「ええ、そうですよ……」
「たとえその人物が犯罪者でも」
「は、犯罪者じゃありません!!」
「だったら、聞いてみようじゃないか。もっとも、彼が素直に白状してくれるかだがな」
「も……もういいです! 私が聞いて白黒はっきりつけてくるんで、難駄様はそこで少し待っていてください」
「わかったよ」
そう言って立ち上がってみるも、私は内心冷や汗が止まらなかった。
馬央位様が、まさか。その可能性を選択肢の一部に入れている自分が情けなくて、情けなくて仕方なかった。身体中の神経が張り詰めて、頭にドッと血液が流れ出した。
「馬央位様。少し聞きたいことが、あるんですが」
所長は折り紙に触れていた手を止め、いつもの笑顔でこっちを向いた。
「なぁに」
「馬央位様……」
「だから、なにさ?」
「その……『あ――、こうなると思ってたよ』
難駄様が割入ってくる。
「さあ、白状してもらおうか。あの時、雪臣を薄暗い部屋に連れ込んだのはお前なんだろう?」
沈黙。
沈黙。
沈黙。
沈黙。
沈m…いや、ただの沈黙ではなかった。さっきまでずっと笑顔だったはずの馬央位様から表情が消えた。
つづきます。




