【11】 難駄様と雪臣様③
難駄様と雪臣様の知られざる過去が明かされた。
なんともう11コマ目突入!
しっかり読んでくれよな☆
そうして帰宅。
「ただいま」
「おかえりィ~パスタは……って、その子は誰かな?」
「さっきそこで拾ってきた。とりあえず飯でも食わせてやってくれ。風呂の準備も頼む」
「うん……えーと、あんまり良く事情はわからないけど、大体わかったよ。とりあえず家の中にあがってて! 今着るものとか持ってくるからー」
深音がいなくなると、男の子は心配そうに俺に尋ねた。
「お兄さん。ここ、どこ?」
「ここはね、俺の家だよ。心配しなくていい。ココには悪い人は一人もいないから」
「……悪い人ほどそういうこと言うんだよ? 知ってた?」
す……鋭い。例えが悪かったか。なんとなく空気が濁ってきた。でもここで負けてはいけないぞ、俺。何としてでも会話を成立させるんだ。
「そうなんだー。でもココは本当に大丈夫だよ。あ、俺の名前は難駄。よろしくな」
「ナ・ダ、お兄ちゃん?」
「そうだよ。キミのお名前はなんていうのかな?」
「僕? 僕の名前は、ユキオミ。雪臣っていうんだ」
「そうかーいいお名前だね」
「当たり前だよ。だって、おかあさんがつけてくれたんだもんね」
「……そうか」
なんだか、更に暗い雰囲気にしてしまった。俺は慌てて雪臣くんを部屋へとあがらせた。
「おいで。怪しいものはないから」
「うん。お邪魔します、ナダお兄ちゃん!」
こんどは笑って受け入れてくれた。やっぱり子供って可愛い。俺の望みが今いっぺんに叶ったような気がした。
◆◆◆◆◆
「その電車がねェ~すっごく大きくってねぇ~!」
「へぇー!! 僕も見てみたいなあ~!」
雪臣くんを連れ込んで一時間が経過した。今まさに夕食の真っ最中であるのだが、隆斗以外の三人そろった食卓は、今までとは打って変わってにぎやかなものであった。
もともと子供が大好きな深音は、男の子が大好きな乗り物話を持ち込んで、雪臣くんと対等に話している。俺はそれ関係には全くを持って無関心なため、話には一切入っていくことができない。相槌をうってごまかしてはいるつもりだが。
話が落ち着いたころ、パスタを半分たいらげた雪臣くんは、静かに話し始めた。
「お兄さんたちに、お願いがあります」
今まで楽しい話をしていたのに、いきなり真面目な話を持ち込まれた深音は多少ながら訝しげな表情をした。これは至近距離でないとわからない、微細な変化。
「なになになにー? 改まっちゃってさーぁ」
これは深音の声。このコをこの家に連れてきた経緯をちゃんと話したはずなのに、どうしてそんなにおどけていられるのか、不思議でならない。
「僕を、この家に住まわせてください! お願いします!」
小さな男の子の、精一杯の懇願。俺と深音はおもわず顔を見合わせて……。不覚にも笑ってしまった。
うつむいていた雪臣くんは、その笑い声で頭をもたげ、「?」といった風に小首を傾げた。
「いいよいいよ。そのつもりで連れてきたんだからさ、ね」
「そうだよーいつまでいてもいいんだよ?」
「本当に?! ありがとう!ナダお兄ちゃんと、ふわふわしたお兄ちゃん!」
ふ……っふわっ(笑)あ―――腹いてぇ……。
笑い転げる俺をちょっと睨んで、深音は雪臣くんに向けて言った。
「あのー名前、深音っていうんだー。覚えてね?」
「うん! シンお兄ちゃん!」
「いや……シンネだからー(苦笑)」
今までにないくらい楽しい夕食会は、まだまだ続きそうだ。
続きますぅー。




