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「ご乗車ありがとうございます。お足元にお気をつけて車内へどうぞ。」
改札を進め、車内は8割ほど埋まっただろうか。
出発まであと6分、車内空調の確認がてら巡視に入る。
7列目では、大きなぬいぐるみを抱えた若いお客様が大口を開けて既に深い眠りについていた。
トランク預かりに備えてポケットに用意したビニール袋の出番は無さそうだ。
プレミアム会員のおじさまは、いつものようにノートパソコンを広げて、おそらく社外秘であろうPDFを睨みつけていた。結構見えちゃってますよ。
気掛かりなのは最後方、10列目の一人旅のお客様である。やや顔色が悪く見受けられる。
エチケット袋を差し出し、「ゴミ袋としてもお使い頂けますがいかがですか?」と様子を伺ってみる。
小さく頷いたお客様は、エチケット袋を握ると、そっとブランケットに顔を埋めた。




