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食人蔦に愛された聖女〜追放された聖女は死の森で居場所を見つける〜  作者: mai


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第5話 新しい暮らし

ここはとある花畑―――


そこで幼いローレルが花を使い花冠を作っていた

白い小さな花の冠が出来上がると、少女は満足げな表情を見せながら小さな友人に目線を向けた


「――――はい!妖精さんどうぞ」


そう言って『妖精』にその花冠を乗せた


『妖精』は不思議そうに花冠が乗った頭に目線を向けている


「ふふっ。似合ってる!可愛い!」


ローレルは満足そうに笑った


するとそれを見ていた『妖精』は蔦を伸ばし、ローレルの頭に触れる


ローレルが不思議そうに見つめると


シュルシュルシュルシュル…………


頭や髪に絡みつくように蔦が這い、まるで髪飾りのように花が咲く


ローレルは池に向かい、水面に映る自身の姿を見てぱあっと表情が明るくなった


「わぁ!お姫様みたい!ありがとう妖精さん!」


そう礼を言うと、少女はくるくると回って喜んだ


―――――――――――――


「――――んん………もう朝………」


陽の光によって目覚めたローレルはゆっくり身体を起こした


(またあの夢……でも、なんだか懐かしさを感じる夢だったような………)


まだ完全に起きてない頭で、最近よく見る何とも不思議な夢の内容をローレルら不思議に思っていた


すると扉が叩かれる


「!―――――どうぞ」


ゆっくりと扉が開かれ、部屋に1人の少女が入ってきた


「おはようございます。奥様の朝のお支度に参りました」

「ええ。お願いしますリビーさん」


木の木目の肌に細い蔦のような髪を1つに纏めた侍女――――リビーの言葉に、ローレルは頷く


この屋敷に住み始めてから、このリビーが主にローレルの身の回りの世話をやってくれるのだ


「奥様、召使いの私に敬語で話さなくても良いのですよ?」


ローレルを椅子に座らせたリビーは眉を下げ、この家の主の奥方に指摘した


「でも………この屋敷に住まわせてもらってるのに」

「何仰るんですか。マディソン様の奥様でいらっしゃるのですから、もっと堂々としてて下さい」

「は、はあ……………」


リビーに髪を解かれながら、ローレルは戸惑いながらも返事を返した


「この屋敷の召使いは私1人ですから、いろいろ不便な思いもされてるかと思いますが………そこはご了承下さい。なにせ、マディソン様は最低限の下僕しか側に置かないんです」


そういって笑いながら話すリビーに、ローレルも曖昧に笑って返した


(いつも1人でやっていたから、そこに不便は感じないけど………)


至れり尽くせりな待遇に、ローレルは未だ慣れず少し恥ずかしくなる


こうしてヒースフィールド邸での新たな生活が幕を明けた


――――――――――――――――――――


「朝食のご用意も出来ていますからどうぞ。今日は旦那様もお待ちですよ」


リビーに案内されたローレルは、ダイニングへと案内される

いつも自室で1人で食事を採っていたが、今日はマディソンと共に朝食を採るらしい


恐る恐る扉を開け中に入ると、長テーブルの奥にマディソンが既に座っていた


「おはようローレル。よく眠れたかな?」


マディソンはにこやかに尋ねると、ローレルは小さく頷いた


「はい。とてもよく眠れましたヒースフィールド様」

「マディソンで良い。夫婦になのだから」

「…………分かりました。では、マディソン様」


改めて言い直すと、ローレルは椅子に座る


「―――さて、食べようか。ローレルの口に合うと良いのだが」


そう言ってマディソンは脇に置かれたフォークとナイフを

手に取った


テーブルを見るとパンをはじめ、王都では見たことのない無いような植物や樹の実のようなものを使った料理が並んでいた


ローレルは恐る恐るパンをちぎり口に入れた

すると甘みが口の中に広がった


「――――美味しいです」

「それは良かった」


ローレルの言葉に、安心したような表情を見せるマディソン


ふと、ローレルはマディソンの食事に目線を向ける

すると、食べているものが自分と同じものだと言うことに気付いたのだ


「………マディソン様は人間しか食べないのではないのですか?」


ローレルの問いに、マディソンは一瞬キョトンとした表情をすると、次の瞬間、声を上げ笑った


「ははは!人間『しか』食べないと言う事は無い。確かに好物ではあるが―――厳密に言うと私は雑食だ。それ以外にも食べられるものはあるのだ。食虫植物が必ずしも虫を食べなくとも平気なのと同じだ」


そう説明され、ローレルは納得する


するとダイニングに「ピッピッ」という規則正しい声が聞こえてくる


見ると緑の茎を生やしたアイボリー色の身体を持つ、手のひらサイズの根菜類のような生き物達がデザートを運んできたのだ


「この子達は?」

「ミニマンドラゴラだ。厳密に言うとマンドラゴラとは全く別の生き物だが―――知性があり言う事も聞く。だから大体の事は彼らに頼むのだ」


テーブルにデザートが置かれ、マディソンが蔦を伸ばし受け取ると、ミニマンドラゴラ達は「ピッ!」と元気な声で鳴いた


その様子にローレルは笑みが溢れる


「まあ!なんて可愛らしい。この森にはこんなにも愛らしい生き物がいるのですね」

「他にもここでしか見ない動植物がいるぞ―――そうだ、朝食が終わったら、改めて森の中を案内しよう。王都では見られない生物がいる」


その言葉にローレルの顔が明るくなる


「ほ……本当ですか!?是非見たいです!」


こうして2人はハルマスの森へ行くことになった

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