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食人蔦に愛された聖女〜追放された聖女は死の森で居場所を見つける〜  作者: mai


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最終話 食人蔦に愛された聖女

それから数カ月後


ローレルはハルマスの森で祈りを捧げていた


(神ルナリアよ。ハルマスに根付く木々や花、そして実が豊かに育つよう、力を貸してください―――)


すると周囲が柔らかな光に包まれていく


光が消えると、ローレルは目を開けゆっくりと立ち上がった


「…………ふぅ。それじゃあ森を探索しましょうか。今日も困っている植物達を探しましょう」

「ピッ!」


ローレルは肩に乗るパールに語りかけると、パールは元気よく返事を返した


ローレルが歩み出したその時、後ろに中型の食人植物がゆっくりと忍び寄っていた事に、彼女は気づかずにいた


そして食人植物は大きな口を開き、ローレルを一飲みにしようとする―――――


「ギャァァァァァァァ!!」


しかしその直後、それは阻止された


断末魔の叫びに驚き、後ろを振り返ると、鋭利な棘と化した蔦が食人植物を貫いていたのだ


『――――全く。人のものに手を出すとは身の程知らずな奴め』


低い声が森の中に響き渡ったかと思うと、蔦がシュルシュルと集まり、人型を形成していった


「マディソン様!」


そこに現れたマディソンに、ローレルは思わず声を上げた


「ありがとうございます。まさか狙われていたとは気付かず………」

「良い。ローレルを捕食しようとしていたのだ。気付かないのも無理は無い」


申し訳無さそうに眉を下げるローレルに、マディソンはそっと頬に触れた


「私がこの主である限り、ローレル傷がつくことは無い。安心しろ」

「マディソン様……」


2人が見つめ合い、距離が縮まろうとしていた――――その時


「ピッ!ピピピッ!」


その雰囲気を壊すかのように、パールが自身を主張し始めた


「こらパールめ。妻との時間を邪魔するんじゃない」

「ピピッ!」


小さな生き物をマディソンが叱ると、ローレルはパールに目線を合わせた


「ふふっ。まだ私の仕事が終わっていない事を伝えたかったのよねパール」

「ピッ!」


楽しそうにパールに話かけるローレルを、マディソンは面白く無さそうに見つめると、ローレルの腰を引き寄せた


「わっ!―――マディソン様?」

「それなら私も一緒に同行しよう。さっさと終わらせて私を構え」


腰を引き寄せたまま歩みを進めるマディソンを見て、ローレルはクスリと笑った


「はい。分かりました私の旦那様」


そう呟くと、ローレルはマディソンに寄りかかる


仲睦まじい2人の様子を、森に生きる植物達だけが、優しく見守るのだった



食人蔦に愛された聖女〜追放された聖女は死の森で居場所を見つける〜 完

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