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食人蔦に愛された聖女〜追放された聖女は死の森で居場所を見つける〜  作者: mai


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第33話 聖女暗殺計画 

その頃

聖衛騎士団に捕らえられたローレルとレイラは大神殿の地下にある聖務牢に監禁されていた


光をほぼ断絶されたこの牢は、まるでこれからの2人の運命を指し示しているようだった



「なんで私まであんたと一緒に捕らえられないといけないの!?」


湿っぽく陰鬱とした雰囲気の場に、レイラの金切り声が響き渡った


しかしローレルはそれに答える事なく、黙り込んだままだ


(ここは確か聖務牢………異端者や闇に落ちてしまった聖職者達を拘束する場だったはず………話には聞いていたけど、実際に見たのは今日が初めてだわ)


そう思いながらローレルは手元を見つめた


両手首には神力を封じる呪いが施された手錠がかけられている


(何故聖衛騎士団が私達を?それに、聖衛騎士団を独断で動かせる人物はリドリー枢機卿猊下かもう1人――――もしそうなら、何故レイラ様まで捕らえられているの?)


様々な疑問が渦巻く中、ローレルはレイラを見つめる

すると、レイラがローレルの視線に気がついた


「…………なによ。ジロジロ見てるんじゃ無いわよ」

「いえ……あの、つかぬ事をお聞きするのですが、レイラ様はお父様から今回の事、何も聞かされていないのですか?」

「お父様?なんで今、お父様が出てくるのよ?」


唐突な質問に、レイラが目を瞬かせているのを見て、ローレルはある事を確信した


(レイラ様が何もご存知無いなら、これはあの方の独断―――と言う事は、あの方はまさか私達を―――)


俯き、険しい表情を浮かべるローレルを、レイラは怪訝な顔で見つめる


「……何?そんな怖い顔して」

「……レイラ様。落ち着いて聞いてください。私達はきっと―――――」


ローレルが言いかけたその時、何者かがこの牢に近付いてくる足音が響いてきた


「!―――誰か来るわ!」


2人は身構えながら、鉄格子の向こう側にある扉を見つめる


古びた扉がギギギ……と音を立て開かれると、その人物がゆっくりと入ってきた


「――――お父様!」


それはレイラの父であり、セルニグル大神殿の大司祭筆頭、アッカーソン侯爵だった


「お父様!私を迎えに来て下さったのですね!何かの手違いで私まで捕まってしまったの」


レイラは父に笑顔を向けながら話かける


しかし―――


「お前を迎えに来ただと………?そんなわけ無いだろう」


冷たく言い放たれた言葉が、この冷たい牢獄を更に冷えさせた


「え………?」

「何故しくじった出来損ないの娘など迎えに行かなければならないのだ?私がここに来たのは、お前達を始末する為だ」


父からの脚切り通達に、レイラはよろめき倒れそうになる

ローレルが慌てて彼女の身体を支えると、目を鋭くさせアッカーソン侯爵を睨みつけた


「やはり……貴方だったのですね。私達をこの牢に追いやったのは」

「ああ、そうさ。私の計画にお前は邪魔だったのだ。孤児の聖女よ」


アッカーソン侯爵は、氷のような冷たさを感じさせる瞳でローレルを見つめ返す


「何故そこまで…………!」

「何故?貴様には分からんだろうな。この私の野望が。セルニグルの全ての実権をこの手に握りたいという、私の思いが!」


ローレルは歪んだ笑みを浮かべ語るアッカーソン侯爵を、ただただ唖然として見つめた


「セルニグルを乗っ取るおつもりだったのですか…………!?だからレイラ様をけしかけたのですか!?」

「そうだとも。あの愚かな王太子殿下は、私が愚鈍に教育してやったからなぁ。レイラが近付けばいとも簡単に落ちる事は計算済みだったさ!」


アッカーソン侯爵はそう言って可笑しそうに笑い声を上げた


全てがアッカーソン侯爵によって仕掛けられた陰謀だと知ったローレルは顔を青ざめさせた


「………貴方の思い通りにはさせませんアッカーソン侯爵」

「貴様に何が出来る孤児の聖女。お前はこれから死ぬのだ。『現聖女が嫉妬に狂い、元聖女と揉み合いになった末に殺され、我に返った現聖女も自ら命を絶った』という筋書きの元な!」


そう言って短剣を抜き、牢の鍵を開け中に入ろうとしたその時


ゴゴゴゴゴゴ………………


どこからか、唸るような地響きが聞こえてきたのだ


「な、なんだ?地震か?」


思わずアッカーソン侯爵が動きを止めたその時


ドガガガガガッ!!


無数の長く深く伸びた蔦が、この暗い牢獄を貫いたのだった


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