↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食人蔦に愛された聖女〜追放された聖女は死の森で居場所を見つける〜  作者: mai


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/40

第29話 次代の聖女候補達

「人々の救済を……?どうしてまたそのような事を?」


リドリーが尋ねると、ローレルは静かに説明を始めた


「元聖女として、人々が苦しんでいるのを放ってはおけません。それに、この救済活動にて聖女候補達を見極めさせてほしいのです。聖女には十分な神力と、心からの優しさが必要だと思いますから」


説明を終えると、リドリーは大きく頷いた


「………良かろう。救済活動を許可する」

「ありがとうございます!」


こうしてローレルの一度限りの聖女としての活動が再開されル事になった



―――――――――――――――


神官評議室を後にしたローレルは、アボットと共に聖女候補になっている少女達のもとへと向かっていた


「もう時間的に、皆、部屋に戻っているかと思われます。それぞれの部屋を訪れて―――」


その時「ガシャン!」という何かが割れる音が何処からか響いてきた


2人が思わず足を止め、音がした方向へ振り向くと、そこには1人の少女がある1室で佇んでいた


それを見たアボットは一直線に少女のもとへと向かった


「どうしました?何かありましたか?」


アボットがその少女に声をかけると、少女は悲しげに答えた


「………レイラ様に少しでも私達と祈りの儀を行ってもらおうと説得していたのですが………お怒りになってしまって…………」


目を伏せ答える少女に、アボットは眉を下げた

すると遅れてローレルが2人のもとにたどり着いた


「一体何が…………って、あら?ヘレナ?」


その少女―――ヘレナは名を呼ばれ、顔を上げた

そして、目の前に元聖女がいる事に、目を大きく見開く


「ロ、ローレル様!?何故ここに………!?もう聖女ではなくなったのでは………」

「勿論そうよ。でも王命で大神殿へ行くよう言われたの」

「そうだったのですか………またローレル様にお会いできて嬉しいです」


ヘレナはニコリと笑うと、ローレルも笑みを返した


「さあ、ヘレナ。一緒に来て頂戴。やる事があるの」

「何をされるのですか?」

「困っている人々を助けるのよ。貴女の力が必要なの」


そう言うと、ローレルは颯爽と歩み出した



―――――――――――――――――――――


その後

祈りの間に招かれたローレルは、数カ月ぶりに聖女候補である少女達と対面した


そして、今から行う事についての説明を彼女達に話した


「――――そういう訳で、今日は私が聖女代理として、貴女達を見ていくわ。共に人々を救いましょう」


そう声をかけた時、1人の少女がおずおずと話しかけた


「あの、ローレル様……まだ今日の祈りの儀が終わっていないのですが………それはどうしたら……」

「あら?先程していたのではないの?」


ローレルは首を傾け尋ねると、他の少女達もぽつりぽつりと話し始めた


「レイラ様が来られないので出来ていないのです」

「やっても意味が無いからと……」

「もう1週間も経ちます………」


その言葉に、ローレルは額を押さえた


(そうだったわ………レイラ様は聖女の仕事を放棄されているのだった)


そして前を向くと、少女達にこう告げた


「それでは私と共に祈りの儀を行いましょう。セルニグルの平和の為、祈りを捧げましょう」


その言葉に少女達の顔が明るくなる


「「「「はい!」」」」


元気の良い返事をすると、それぞれが位置に着くと座り、目を閉じ指を組んだ


そして静寂に包まれると、ローレルは静かに口を開いた


『セルニグルを見守る神ルナリアよ。どうか人々の生活に安寧と幸福が溢れますよう。私共は貴女に、無垢の祈りを捧げます』


すると祈りの間が暖かな光に包まれた

まるでローレル達の祈りに応えるかのように彼女達を光で包み込むと、静かに消えた


光が消えたのを感じ取り、ローレルはゆっくり瞼を開けた


「………無事祈りの儀を終えることが出来ましたね」


そう笑みを浮かべると、少女達も安堵の表情を浮かべた


やがてローレルは少女達に質問した


「では、皆さんは今日の祈りを、どのような事を思いながら祈っていましたか?」


突然の問いに、少女達は顔を見合わせ戸惑いをあらわにする

すると1人の少女が口を開いた


「わ、私は、久しぶりに神に祈りを捧げられる事の喜びを感じていました!」


そう答えたのは、この中で最年少8歳のエマだ

ローレルが頷くと、続けて声が飛んできた


「私は未来の聖女として善い行いが出来るように祈りを捧げていました」

「私はセルニグルの発展を願っていました!」


共に9歳のジェマとエリカがそれぞれ意見を言うと最後に最年長の11歳、ヘレナが静かに答えた


「私は今この時に苦しんでいる人々が皆救われるよう願いを込め、祈っていました」


その答えにローレルは目を細めた


「皆、良い心がけを持ち祈りをささげられましたね。ただ、聖女は他者を救う為、時に己の事を顧みず他者を優先しなければなりません。普段から他者の為に尽くすことを意識しなければなりませんよ」


「「「「はい」」」」


自身のの教えを素直に聞き入れる少女達を、ローレル思わず微笑ましく見つめていた


(皆、素直で良い子達だわ………でも、その中でも一番良い心がけを持っていたのは―――――)


ローレルは先程の少女達の答えを思い返しながら、考えるのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。