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食人蔦に愛された聖女〜追放された聖女は死の森で居場所を見つける〜  作者: mai


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17/40

17話 異変

その後


マディソンの屋敷を去ったオルグレンは親衛隊達に野営の準備をさせていた


静かな森に、天幕を組み立てる音や支持する声等が賑やかに響き渡る


そんな様子をみていると、彼の近くにいた側近が声をかけた


「閣下、ローレル様はお戻りになってくれるでしょうか?」


そう問われたオルグレンは前を見つめたまま口を開いた


「どうだろうな……だが、ローレル様は信心深い故に国想いな方だ。セルニグルの為になる選択をなさる筈だ」


静かに告げると、オルグレンはマディソンの屋敷の方向に目線を向ける


ローレルが自分達の為に、最良の判断を決断する事を願いながら


―――――――――――――――――


一方

オルグレンが去った屋敷では、ローレルが自室に戻りながら1人、考えをまとめていた


(国を、セルニグルを想うのなら、オルグレン宰相閣下と共に帰るのが何よりも最善。だけど――――)


ローレルの脳裏にはハルマスの森の風景が思い浮かぶ


青々と生い茂った木々

ここでしか見られない花々

ここでしか生息しない植物生物や人外

そして―――――


この森を支配するマディソンの顔か浮かんできた


(………どうして、マディソン様の事が思い浮かんでくるのかしら)


マディソンからしたら、ローレルは降って湧いたただの食糧でしかなかったはずだった


なのに気まぐれで生かされ、成り行きで彼の妻になり―――そこに愛情は存在しないはず、だったのに


ローレルの頭に浮かんでくるのは、様々な表情を見せるマディソンの姿だった


「ローレル」


すると後ろから、そのマディソンの声が聞こえローレルは勢い良く振り返る


「マディソン様………」


なんと話し出したら良いか分からず、目を伏せていると、マディソンから切り出してきた


「森の事は気にせずとも良い。ローレルの気持ちを優先するのだ」

「え………」


意外な言葉にローレルは思わず顔を上げる

金色の瞳に映ったのは、何処か悲しげで、しかし覚悟を決めているような表情のマディソンだった


「私はローレルの意思を尊重する」


そう言ってマディソンは静かに去っていくのだった


―――――――――――――――――――


その夜

マディソンは自室にて1人窓の外を見つめていた


(ローレルの事だ。きっとセルニグルを取るのだろう)


その時ふとローレルの笑顔が脳裏を掠め、心が痛む感覚が走る


「何を今更………端から叶わぬ想いではないか………手に入るのだと、糠喜びしただけだ」


自虐的に軽く笑い窓際から離れた、その時だった


「――――――――――っ!?」


突如、マディソンの身体に鋭い熱さと痛みが走った


あまりの痛みに、身体を抑えうずくまる


「ゔっ………ぐっ…………」


マディソンは痛みに耐えながら、自身の体内である森を視た


すると見えてきたのは、森の一部に炎が上がっているのが視えた


そして、その近くには人間の姿が―――――


燃え盛る炎が木々を焼き尽くす光景を目にした瞬間、その身が焼き尽くされるような鋭い痛みがマディソンを襲った


「……………クソっ」


マディソンは力を込め立ち上がり、部屋の外へと向かうのだった

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