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銀河連邦学術士官ユーリ・フォイルの、剣と魔法のフィールドワーク  作者: ハヤケン


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第5話 島とフライトボード

 ギャギャギャギャギャッ!?


 驚いた竜人達は大きく飛び退り、こちらへの囲みが崩れる。

 今だ――


「アーク! オーダー、フライトボードに!」

「了解。オーダー実行します」


 アークのボディの真ん中あたりがガシャンと出っ張り、スケートボードのような板を形成した。

 その底面や後方には、飛行制御用の小型バーニアが埋め込まれている。


「レティーナさん! 乗って下さい!」

「※◎△※◎△!?」


 ユーリはレティーナの手を引き、フライトボードに飛び乗った。


「アーク! 今のうちに離脱を!」

「了解――!」


 ユーリの指示で、アークが変形したフライトボードはグンと高く飛び上がる。

 森を上抜け下を見下ろすと、ユーリ達が不時着した場所の全体像が見えて来た。

 広い森に、それに隣接した開けた平地。森も平地の部分も、その外側は白い砂浜だ。

 つまりここは、周囲を海に囲まれた、一つの島のようだ。


 ユーリ達がいた地点はどうやら平地部分に近い森の中で、森の奥の方には高度を上げたここからでも見上げる程に巨大な樹が聳え立っていた。

 まるで何十階建てのビルのようだ。


「わあ……! すごい樹だ! あんなの見た事ないや!」


 マナ文明はマナ粒子の影響によって、同じ人間でも強さに圧倒的な差が付いたり、とにかく個体差のムラが激しくなるのが特徴だ。

 あの樹もマナ粒子の影響をたっぷりと受け、異様に巨大に育ったものなのだろう。

 とても興味深い。是非調査を行ってみたいものだ。

 しかし目を輝かせるユーリに向かって、アークが警告を発する。


「ユーリ、先程の危険生物が追跡してきます!」

「現地住民の皆さんだよ!」


 まだ対話を諦めたわけでは無いのだ。

 竜人同士では何か話しているような素振りもあった。理性が無いわけでは無いはずだ。


「ともあれ、追ってきます!」

「距離を取って、アーク! 今度はもう少し強めに、威嚇射撃を!」


 アークは海上に出る方向に向け、距離を取る。

 竜人達の飛ぶ速度も速く、二人で乗っているフライトボードは追いつかれそうになるが、アークも素早く大きく軌道を変えて、こちらを捕らえさせない。

 そうして時間を稼いでいる間に、レーザーブラスターのチャージが完了した。


「よし……ありがとうアーク! 皆さん落ち着いて下さい! こちらに敵対の意思はありませんが、こんな武装もあるんです! チャージショット!」


 ドシュウウウウゥゥンッ!


 ユーリが握ったレーザーブラスターは、先程よりもずっと太い光線を放った。

 眩く輝く光は砂浜に落ち、カッと輝く大きな光の柱を立ち上らせた。


 グガガガガガガガッ!?


 流石にそれには驚いたようだ。

 竜人達は身を翻して、何かを話し合いながら遠くに飛び去って行った。

 森の中に帰って行く、という感じだろうか。

 ユーリ達がいるのは、島の端の砂浜の上空だ。


「ふう……諦めてくれたのかな?」


 ユーリはほっと胸をなで下ろす。

 マナ文明の神秘を体現した現地住民達を傷つけずに済んだのは、良かった。

 戦うのでは無く、対話をして彼らがどのように生きて何を考えているのかを聞かせて貰う方が余程有意義だ。


「ユーリ! ※◎△※◎△!」


 レティーナがユーリの手を取り、何かを言ってくる。

 笑顔の様子を見ると、お礼を言ってくれているのだろうか?


「いえいえ、僕も助けられましたから、お互い様ですよ」


 ユーリもニコッと笑顔で応じる。


「※◎△※◎△! ※◎△※◎△!」


 レティーナはユーリの腕を引きながら、島の平地の部分を指差す。

 そこにあるのは、いくつかの家屋が建ち並んだ、村のような集落だった。

 この高度から見る限り、他に人里は見えない。

 島で唯一の村、と言う事はレティーナもそこに住んでいるのだろう。

 そして手を引いてそちらを指差すのは、村の方に行ってくれと言う事だろう。

 マナ文明の村とは、これもますます興味深い!


「アーク! レティーナさんが招待してくれるって! 行ってみようよ!」

「了解。進路を指定された集落に」


 ユーリとレティーナを乗せたフライトボード型のアークは、集落の方へと降りて行った。

ここまで読んで下さりありがとうございます!


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