第8話 ダンスパーティー
十字市ホテル。
ダンスパーティー当日。
「お久しぶりですわ。新しいマドモアゼルさん」
入り口で、デーメーテルと会った。
デーメーテルは、自分の所有するクローゼットから、マドルにパーティードレスを用意していてくれたという。
「どうぞ。ヴィクトリアス学院のダンスパーティーを楽しんでほしいですわ。ふふふ」
デーメーテルは、そう言うと、アレキサンダーの下へ行ってしまった。
やはり、アレキサンダーは、デーメーテルと踊るのだ。
落ち込むマドル。
「落ち込むなよ。マドル。オレたちとダンスパーティーを楽しもうぜ」
ハモニスが、元気に声をかけてくれる。
「ボクと踊ってほしいな」
「ワタシも、マドルさんと踊りたいです」
ファッソとラシードも元気づけてくれる。
「ありがとう」
マドルは、気分を切り替えた。
第8話 ダンスパーティー
十字市ホテル。ダンス会場。
「今日は、わたしの誕生日ダンスパーティーだ。集まってくれた生徒諸君、ありがとう」
理事長アレキサンダーが、マイクを持ってグラスをかかげる。
「乾杯」
「乾杯…!」
集まった男子生徒全員が、グラスをかかげる。
ダンスパーティーのはじまりだ。
「マドル…」
「この時がきた…」
男子生徒が大勢、マドルの元へ押し寄せてきた。
マドルは、真紅のパーティードレスを身に着けている。
男子生徒全員も皆んな、スーツ姿だ。
しかし、マドルの真紅のパーティードレスが、よほど魅力的なのだろう。
その前で、顔を赤くして立ちつくしたり、グラつく生徒がほとんどだ。
「美しいな。新たなマドモアゼル」
教師ベアニソスだ。
もちろん、スーツ姿。
その足元には、水色のぬいぐるみベアスが、スーツ姿でしがみついている。
「久しぶりだね。ボクは、ベアス。おぼえてくれてた?」
ぬいぐるみベアスは、マドルの足元に移動してくる。
「…おぼえてるわ。ベアス」
マドルは、頭を優しくなでてあげる。
ベアニソスは、そのマドルに寄り添ってくる。
「可愛いぬいぐるみで、気を引くつもりか…」
「マドルの優しさを持て遊ぶな…」
男子生徒たちは、イラ立っている。
その言葉を無視して、ベアニソスは、マドルの肩を抱く。
「貴様…!マドルから、離れろ…!」
一人の男子生徒が、ベアニソスを無理矢理引きはがした。
「何をする。マドモアゼル・マドルは、唯一の男を選ぶ女の子。多くの生徒を愛していない」
「違う…!マドルは、男子生徒全員を愛している…!」
ベアニソスと男子生徒たちが、ケンカをはじめてしまった。
マドルは、唯一か。
男子生徒全員か。
「…やめて!私は、アレキサンダー理事長が好きなの!」
マドルは、無意識のうちに叫んでいた。




