表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

第6話 ベアニソスの試練

ヴィクトリアス学院。地下への階段前。

「じゃんけん…」

男子生徒たちが、じゃんけんをしていた。

マドルに課せられた、“ベアニソスの試練”。

それに、同行できるのは、男子生徒一名のみ。

その一名を、じゃんけんで決めている。

「よーし。勝ったぜ!」

風紀委員長ハモニスが、じゃんけんに勝ち抜いた。

「じゃんけん強いね。ハモニス」

「じゃんけん強いですね」

ファッソとラシードが、拍手を送る。

「マドル。キミのことが心配だ…」

「どこにいても、キミのことを愛している…」

男子生徒たちに見送られて、マドルとハモニスは、地下への階段を降りていく。


第6話 ベアニソスの試練


地下深くへの階段。

地下5階。

「何があっても、マドルはオレが守るぜ」

「ありがとう。ハモニス」

マドルとハモニスは、携帯のライトを頼りに、地下を探った。

地下に、ベアニソスがいる。

ヴィクトリアス学院のマドモアゼルに課せられる試練。

“ベアニソスに愛される試練”。

新たなマドモアゼルであるマドルは、この試練を乗り越えなくてはならない。

できなければ、学院を追い出される。

入学理由は、理事長アレキサンダーへの片想い。

アレキサンダーには、他に好きな女の子がいる。

でも、片想いを続けたい。

この学院に、近くに、いたい。


「ボクの眠りをさまたげるのは、誰だい?」

声がした。

男の子の声だ。

携帯ライトを声のする方に向けると、水色のぬいぐるみが置いてあった。

いや、動いている。

可愛いぬいぐるみに見える。

「きっと、ベアニソスだぜ。気をつけろ」

「…可愛い」

警戒するハモニスだが、マドルは、思わず本音をもらしてしまう。

とことこ。とことこ。

ぬいぐるみは、マドルの足元に歩み寄る。

マドルは、その頭をなでてあげた。

「心優しい、女の子だね。ボクは、ベアスだよ」

ぬいぐるみベアスは、うれしそうにうなづいた。


「心優しいマドモアゼルよ」


再び、声がした。

声の先には、大きなひつぎが置いてある。

その棺が、ゆっくりと開く。

「ワタシの名前は、ベアニソス」

黒いスーツ。黒いマント。

怪しい男の人。

「ベアニソス…?…んん」

マドルの口が、突然開かなくなる。

「どうしたんだよ!マドル」

ハモニスは、マドルの異変にあわてた。

ベアニソスを名乗る男は、ゆっくり近づいてきて、マドルを抱きしめる。

「ワタシは、ベアニソス」

「…!」

「決めてもらおう」

あらがえないマドルの耳元に、ベアニソスはささやきかける。

たった一人の男に愛されるか。

多くの男たちに愛されるか。

マドルに決めろという。

「ん…。何なの?」

やっと喋れるようになったマドル。

しかし、ベアニソスにしっかりと抱きしめられている。

思わず、顔が赤くなる。

こんなに強く男の人に抱きしめられるなんて。

「決めよ。新たなマドモアゼル」

「私は、一人の男の人に愛されるために、この学院に入学したのよ」

マドルは、答えた。

片想いの相手アレキサンダー。

愛されたいのは、ただ一人。

「そうか」

それを聞いたベアニソスは、ニヤリと笑う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ