第2話 マドル・オーランド
この物語の主人公。
ヴィクトリアス学院。唯一の女子生徒。
マドル・オーランド。16歳。
赤毛のシャギーカットの女の子。
本当は強気。少しだけ恋に弱気な女の子。
ヴィクトリアス学院。理事長室。
「キミは、美しい」
アレキサンダーは、デスクに着席したまま、そう言ってくれる。
美しい。
褒めてくれる人。
アレキサンダーに言われると、心がときめく。
「キミは、その美しさで、この学院の男子生徒全員に愛されなくてはならない」
「…はい」
「この学院には、“マドモアゼル制度”がある」
「はい」
「キミは、男子生徒をトリコにし続けなくてはならない」
「…」
アレキサンダーは、マドルの気持ちを知らない。
マドルが、アレキサンダー理事長のそばにいたいから、この学院に入ったことを。
マドルは、マドモアゼル。
男子生徒全員に愛される唯一の女子生徒。
本当は、アレキサンダー。
ただ一人に愛されたい。
第2話 マドル・オーランド
「マドル、何て美しいんだ…」
「愛している。マドル…」
授業の合間。男子生徒に囲まれる。
「私は…」
マドルの手を一人の男子生徒がつかむ。
男子生徒は、オオカミだ。
常に、マドルだけをねらうオオカミ。
「やめろよ。マドルが困っているぜ」
風紀委員男子ハモニスが、わってはいる。
邪魔された男子生徒は、ハモニスを突きとばす。
「マドルは、オレ様のものなんだよ…」
「やめてあげてよ」
「やめてください」
ファッソとラシードが、止めに入る。
マドルを愛する男子生徒は、一人ではない。
この学院の男子生徒全員だ。
「お前たちだって、マドルを独占しようとしてるだろ…」
「オレたちは、学院の過激行動禁止を守ってほしいだけだぜ」
風紀委員長のハモニスは、マドルを連れていく。
風紀委員会室。
「ここなら、話してもいいんだぜ」
「ありがとう。ハモニス」
マドルは、心から礼をいう。
マドルは、ヴィクトリアス学院の理事長アレキサンダーに片想いしている。
片想いを叶えるため、この学院に入学した。
今年からだ。
まだ、年月が浅い。
ヴィクトリアス学院の校則も、入学してから知った。
マドモアゼル制度だ。
「今まで女子生徒がいなくて、男子生徒は、マドモアゼルに飢えていたんだよ」
無邪気なファッソが教える。
「女子生徒にマドルさんが決まって、学院に活気がでてきたんですけど。ちょっと、過激で困りますよね」
穏やかなラシードは、ため息をつく。
「私は、アレキサンダー理事長に片想いして、この学院に入学しただけなの。何で、言ってはいけないの?」
マドルは、三人に聞く。
「そんなことを知ったら、男子生徒が、嫉妬に狂ってしまうからだぜ」
ハモニスが代表して答える。




