第8話 灼熱の死・SUKE 獄炎の完全制覇(サバイバル)!
「カカカ! ようこそ灼熱地獄へ! ここからは湿っぽさは一切ナシ、乾燥機の中でハンバーグにされるような灼熱の祭典じゃわい!」
空中に浮かぶ蓮禅のホログラムが、遮光率99%の真っ黒なサングラスをかけ、実況席のようなデスクでマイクを握りしめた。
【灼熱地獄「死・SUKE」スペシャル】
「さあ! 挑戦者は、全身が赤銅でテッカテカに焼き上がった不純物・魁斗! そして、青い炎なのに熱中症寸前のツッコミ幽霊・ミオだ!」
「ちょっとジジイ! 実況してないで冷房のスイッチ入れなさいよ! 私、熱膨張でいつもの1.5倍くらいのサイズになってるんだけど!!」
「やかましい! 灼熱地獄の伝統行事、地獄のSASUKEこと『死・SUKE』の幕開けじゃ! 魁斗、最初のエリアへ突っ込め!」
【第一エリア 鉄棒連打「ミートボール・マシーン」】
「さあ、まずは第一エリア! 両サイドから巨大な鉄の棒が、秒速100回の超高速で迫りくる! 挟まれれば最後、肉体はミンチ、魂は団子状に成形されるぞ!」
ベチャッ! バコンッ! ボコッ!!
「あがぁぁぁっ!? ちょっ、速すぎ……っ、あひゃああ!!」
魁斗の幽体が、巨大な鉄棒にサンドイッチされ、みるみるうちに丸く、赤く、美味しそうな肉団子に固められていく。
「見てくれ! 魁斗くん、見事な等身大ミートボールに大変身だ! これには審査員の閻魔様もヨダレを禁じ得ない……おっと、ミオ選手が具材(魁斗)を救出に向かうか!?」
「誰が具材よ! 魁斗、しっかりしなさい! あんた今、人生で一番まとまりが良いわよ! そのまま転がって次へ行くのよ!!」
「……っ、転がれるか! 節々が痛てぇんだよ!!」
魁斗は肉団子状態のまま、右腕のバグを内側から爆発させ、ポップコーンのように弾けて人型を強引に再構築した。
【第二エリア 空中粉砕「すり鉢・トルネード」】
「休む暇はないぞ! 第二エリアは、最大風速800メートルの『空中すり潰し竜巻』! 中には数万枚のおろし金と、ダイヤモンド製のヤスリが舞っておるわい!」
「うわあああ! 吸い込まれる! 俺の幽皮が、大根おろしみたいに細切れにされるぅぅ!!」
宙に浮いた魁斗の体が、竜巻の遠心力でおろし金に叩きつけられる。シュリシュリシュリ!!と軽快な音が響き、魁斗の端っこから「おろし魁斗」が雪のように舞い散る。
「カカカッ! 削れておる、削れておるぞ! 無駄な贅肉(迷い)が削ぎ落とされ、骨身にエラーが染み渡るわい!!」
「ジジイ、楽しそうね! 魁斗、その竜巻の回転を利用して! ノイズをプロペラにして逆回転させるのよ!!」
「……やってやるよ! デバッグ・サイクロン、起動ッ!!」
魁斗は全身を削られながらも、右腕のノイズを竜巻の核へと叩き込んだ。風が逆流し、爆発的な反動で魁斗は最終エリアへ向かって「人間大砲」のごとく射出された!
【最終エリア そり立つ壁 】
ドォォォォォン!! と垂直90度の「灼熱・そり立つ壁」に激突し、爪を立てて駆け上がった魁斗。
その頂上、ゴールボタンが置かれているはずの場所に、圧倒的な質量感を持って座る巨影があった。
「……遅かったな、不純物。わしのカップ麺が伸びきってしまったではないか」
そこにいたのは、燃え盛るマントを羽織り、地獄の全ての法を司る最高裁判官、閻魔大王。
「な……閻魔大王!? なんで死・SUKEのゴール地点に、ラスボスが直々に座ってんだよ!!」
「決まっておるだろう。……わしが、最後の『壁』だからだ」
閻魔が巨大な笏を振り上げると、灼熱地獄の炎がさらに勢いを増した。
「魁斗よ。この『死・SUKE』、クリアと認めるかどうかは……お前の魂の根性が、わしの退屈を殺せるかどうかにかかっておる。……かかってこい!」
「ちょっと閻魔様! この子、さっきおろし金で削られて、中身半分くらいになってるんだけど! ハンデちょうだい、ハンデ!!」
「黙れ火の玉! ハンデなど、この地獄には存在せぬ!!」
灼熱の頂上決戦。魁斗のバグが、地獄最強の主である閻魔大王と正面衝突する!




