表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特級除霊師 神楽坂 冥は除霊に情け容赦がない  作者: 虫松
地獄特訓編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/28

第9話 地獄の頂上決戦 、閻魔様と灼熱ボルダリング!


「カカカ! 最終競技は『極限・絶壁ボルダリング』じゃ! 垂直180度、いやもはや逆さまの岩壁を、素手で登り切った者がこの『死・SUKE』の真の覇者となる!」


蓮禅の実況が響き渡る中、目の前の「そり立つ壁」がさらに変形し、溶岩が滴り落ちる超高難易度のオーバーハングへと姿を変えた。


【地獄のパワー・クライミング】


「いいか魁斗、わしが先に頂上のゴールボタンを押せば、お前は永久に『おろし金エリア』で大根役者として働くことになる。……行くぞ!」


ドォォォォォン!!


閻魔大王が巨大な体躯に似合わぬ身軽さで岩壁に飛びついた。一掴みごとに岩が砕け、火花が散る。


「ちょっと! 閻魔様、その体格でボルダリングは反則でしょ! 岩が可哀想だわ!!」


ミオのツッコミを背に、魁斗も必死に岩に食らいつく。


「熱っ! 掴む場所、全部1000度超えてんじゃねーか! 俺の手が焼き鳥になっちまう!!」


「フンッ!!」


閻魔が大岩を掴むと、その岩が「ホールド(足場)」ではなく、魁斗に向かって投げつけられる「障害物」へと変わった!


「ちょ、投げた!? ボルダリング中に足場を投げる奴があるか!!」


「地獄のルールはわしだ! 避けてみせよ!」


空飛ぶ溶岩岩が魁斗を襲う。魁斗は右腕のノイズを壁に突き立て、無理やり体をスイングさせて回避した。


「ミオ! 応援だけじゃなくて、あのジジイの目を逸らしてくれ!!」


「任せなさい! 『幽霊ゴースト・目潰しフラッシュ』!!」


ミオが自身の青い炎を最大出力で爆発させ、閻魔の真ん前で閃光を放つ。


「ぬおっ!? まぶし……っ、この火の玉、小癪な真似を!!」


閻魔が一瞬怯んだ隙に、魁斗は勝負に出た。


「……掴む場所がないなら、作ればいいんだろ! デバッグ・グリップ、起動!!」


魁斗が壁に触れるたび、黒いノイズが岩壁を浸食し、物理的にあり得ない角度で「バグった足場」が次々と突き出していく。


「な……わしの壁を勝手にリフォームするとは!」


「リフォームじゃねえ、これは『攻略ハッキング』だ!!」


魁斗は生成したノイズの階段を爆走し、ついに閻魔の頭上を飛び越えた。


頂上にある巨大な「クリア」のゴールボタン。二人の手が同時に伸ばされる。


「不純物が……このわしを越えようというのか!!」


閻魔の巨大な笏が振り下ろされる。


「越えるんじゃねえ! 俺は……帰るんだよ! 冥師匠のところに!!」


魁斗の右腕から溢れ出たノイズが、閻魔の笏を強引に「バナナ」に書き換えた。


「……え?」


一瞬、閻魔がバナナを握ってポカンとしたその0.1秒。


バチィィィィィン!!!


魁斗の掌が、ゴールボタンを全力で叩き潰した。


「……判定、不純物・魁斗の完全制覇オールクリアじゃああああ!!!」


蓮禅の絶叫が地獄中に響き渡り、空から大量の「血の紙吹雪」が舞い落ちる。


「やった……やったわよ魁斗! 閻魔様にバナナ持たせて勝つなんて、あんた歴史に名を残したわよ!!」


ミオが狂喜乱舞して魁斗の周りを回転する。


「……はぁ……はぁ……。バナナ……。……ふっ、くはははは!」


閻魔大王は手元のバナナを見て、突然豪快に笑い出した。


「面白い! 地獄の王をここまでコケにしたのは、お前が初めてだ。……認めよう。お前は不純物だが、その不純さは……地獄の退屈を殺すに十分だ」


閻魔が立ち上がり、バナナ(を再び笏に戻して)を振ると、目の前に現世へと続く輝く門が現れた。


「行け。だが、冥によろしく伝えておけ。『次に来る時は、もっとマシなお土産を持ってこい』とな」


「……土産がバナナじゃ不服かよ。……ありがとな、閻魔大王様!」


ボロボロになり、中身もおろし金で半分近く削られた魁斗だったが、その目はかつてないほど輝いていた。


不純物の物語は、地獄を飲み込み、次なるステージへと加速していく!



地獄特訓編 完結



つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ