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特級除霊師 神楽坂 冥は除霊に情け容赦がない  作者: 虫松
地獄特訓編

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第2話 等活の剣雨 絶叫のデバッグ作業

暗黒の深淵を抜けた先に広がっていたのは、空と地の境界が燃え盛る火炎に包まれた狂気の平原だった。


【等活地獄】


「熱っ、熱つっ! 何だよここ、地面がフライパンどころか直火じかびの網の上じゃねーか!」


魁斗は霊体となったことで身軽になった……はずだが、地獄の熱気は容赦なく「幽体の尻」を焼き上げる。


「魁斗、危ない! 上から鉄の剣の雨が——って、もう刺さってるわね!」


ミオが叫ぶのと同時に、空から巨大な刀剣がシュババババッ!と降り注いだ。


「あべしっ!? 痛てててて! ちょ、待て、これ霊体だよな? なんでこんなに物理的に食い込むんだよ!」


魁斗の背中に3本、尻に1本、見事な等間隔で剣が刺さる。


「おい、これ抜いたら、抜いた場所から新しいのが生えてくるんだけど! どんな生態系だよこの地獄!」


「当たり前でしょ、等活地獄なんだから! ……っていうか、なんで私までハリネズミにされなきゃいけないのよ!」


ミオも頭の先から足の先まで剣が刺さり、もはや青い炎を纏ったサボテン」状態。


「ちょっと! 幽霊の特権(すり抜け)は!? 運営(閻魔)に報告するわよ! 『当たり判定がバグってます』って問い合わせフォーム送ってやるんだから!!」


「カカカ! 良いツッコミだ、小娘!」


「魁斗、逃げ回るな! その刺さる痛み、再生する不快感……すべてを『快感』に変えろとは言わんが、バグとして受け入れろ! ちなみに、その剣一本につき冥の写真を1枚シュレッダーにかける設定にしておるぞ」


「そんな鬼畜な連動システムやめろよジジイ!! 冥師匠に殺されるのは俺なんだぞ!!」


魁斗は死に物狂いで、刺さった剣をデッキブラシで「ゴルフのスイング」のように弾き飛ばしながら爆走する。


「ミオ! 逃げろ! 止まったら冥師匠の『中学時代の秘蔵写真』が消える!!」


「私の魂よりそっちの方が大事なの!? ……って、うわああ! 巨大な炎の竜巻が追いかけてきたぁ!!」


炎と剣の雨を「あひゃあああ!」と奇声を上げながら掻き分け、満身創痍の二人の前に、巨大な石造りの城門が現れた。


そこに鎮座していたのは、山のように巨大な体躯を持つ十獄王の一柱、初江王しょこうおうである。


挿絵(By みてみん)


「止まれ、不純なる魂よ。……随分と賑やかなゴミが流れてきたものだ」


初江王の声が地響きとなって響く。


「……はぁ、はぁ。やっと、まともなNPCに会えた……。ここ、難易度設定ミスってませんか?」


魁斗がボロボロの幽体で文句を垂れる。


「黙れ。試練を与えよう。……この炎の中で、降り注ぐ一万の剣をすべて『自らの意志』で受け止め、折ってみせよ。一本でも逃せば、その幽霊娘を『地獄の激辛火鍋』の具材とする!」


「具材!? 幽霊に味なんてしないでしょ! 出汁だしも出ないわよ!!」


ミオが空飛ぶ初江王の鼻先に渾身のツッコミを入れる。


「……上等だ。具材にされてたまるか!」

魁斗は右腕の黒いノイズを全開にし、デッキブラシを「伝説の剣」っぽく構え直した(見た目はただの掃除用具である)。


「一万本だか何だか知らねえが、全部へし折って、冥師匠の写真とミオの尊厳を守ってやるよ!!」


炎の嵐が吹き荒れ、空が真っ赤に染まる。

地獄の第1関門。魁斗の「不純物」が、物理法則を無視した超次元のドタバタ防衛戦に突入する!


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