悪魔の子達
「よし、帰ろうか。サミュ。」
「はい。サクト様。」
サミュを後ろから抱きしめる。
ああ、いい匂いだ。
「じゃあ、行くよ!」
そう声をかけ、飛行魔法を使う。
転生したときに貰った戦闘向きじゃないスキルだけど、空を飛ぶのが夢だったから迷わずこれに決めてしまった。
「サクト様、どうして本気で戦わなかったのですか?本気でやっていたらフロイトくんにも余裕で勝てたと思うのですが。」
「サミュ。たぶん彼のほうが強いよ。そりゃあ純粋にステータスなら僕のほうが上だけど、彼の操作魔法....あれは反則だね。」
「ですが!フロイトくんの操作魔法は魔力切れで途中使えなくなっていたようにも見えたのですが。」
「いや、あれは魔力切れって感じでは無かったね。まあ、操作魔法なんて聞いたことがないから分からないけど。」
神から与えられるチートスキルの中に操作魔法なんてなかった。
それに転職神父というありえない頭脳。
フロイトくんが選んだスキルはたぶん脳内図書だろう。
すると、あの操作魔法というのは何かしらのスキルレベルを上げて覚えられる魔法か何かの類いかな?
それとも魔道具か何かか。
「それでも、サクト様がお作りになられたエアガンを使えば、フロイトくんでも反応出来ずにやられてしまうはず!」
「サミュ..。殺すためにやった闘いじゃないんだ。あくまでフロイトくんの実力を見るためのだよ。僕が負けたのがそんなに悔しいのかい?」
「はい....。私はサクト様が負けてしまうお姿をもう見だぐありまぜん。」
あー。泣いてしまった。
サミュはたまに子供っぽくなっちゃって困るなぁ。
「わかったわかった。次に負ける時は言うからさ。」
「サグトざまは負けないんでず!!最強なんでず!!」
あはは、ホントに子供みたいになっちゃった。
また次負けたら怒られそうだなぁ。
でも僕のほかにも転職者が居るって知れたし、また負けちゃう可能性あるよなぁ。
「まあフロイトくんに頼んで勇者に施して貰ったし、もう負けないように頑張るね。」
そうして、サクト達は商人都市テルスへと帰っていった。
☆
『聞いたか?サルエルの剣闘士に6歳で転職神父になったやつが居るって。』
『ああ、しかも腕利きでかなり強いらしいってな。』
ボクが店で昼食をとっていると、となりの席の人達がそんな話で盛り上がっていた。
「へぇ、ボクの故郷にそんな子が居るのか。」
そういえばフロイトくん。元気にしてるかな?
まだ剣闘士してるのかな?
久しぶりに故郷に帰ってみよう。
「突然どうしたのタットぉ?」
「あ、いや、となりの会話が気になっただけだよシュナ。」
シュナとは、この前奴隷商人に襲われているところを助けてから、ずっと一緒に行動している。
ネコミミ獣人でちょっとツリ目の可愛い女の子だ。
「ふぅーん。」
あれ、シュナがなんかちょっと冷たい。
ボクなにか傷つけたかな?
「で、タットぉ。次はどこに行くの?」
「ああ、サルエルに行こうか。ちょっと故郷に帰りたくなってね。」
そんな話をすると、急にシュナが怒りはじめた。
「やっぱり!故郷に女の子探しに行くんでしょ!さっき"そんな子が居るのか"って言ってたし!」
「え!いやいや違うよシュナ。6歳で転職神父になった人が居るっていうから気になっただけ!シュナが居るのに女の子探しなんてしないよ!」
「なーんだ。良かった。」
シュナちゃんが妬いてくれてる!
ほんと可愛い!!
おっぱいも大好きだけど、やっぱりロリって最強だよね。
しかもネコミミ族だし。
「食べ終わったし、そろそろ行こうか。」
そうして、タット達は故郷サルエルへと旅立った。




