Ep.4// Traitor to the State
観測者
[前走長過ぎるだろって自分にツッコミたい。]
Ep.4// Traitor to the State
玄関前で立ち尽くす。
生温い風が髪を撫でた。
「アカネどうした?」
夫が近づいてくる。私は咄嗟に赤札を背に隠した。
夫
「ん?どうした…顔色悪いぞ」
「何があった…」
「…!」
アカネの腕を掴み引き寄せた。
「赤札!!」
「嘘だ…」
夫は玄関に貼られた赤札を剥がす。
破り捨て靴で踏みつけた。
アカネの腕を掴み、家へ入った。
木枯らしに乗り赤い塵が宙へ舞った。
夫
「行くな!!」
ダイニングテーブルの前で妻の肩を掴む。
アカネ
「それは…」
それは……召集に背くってこと?
夫
「アカネ!!」
夫に強く抱き寄せられた。
アカネも涙を流しながら抱き返す。
アカネ
「ソウタ…」
ソウタ(夫)
「行くな…お願いだ…」
夫の瞳から涙が落ちる。
アカネ
「ソウタ、愛してる…」
夫の頬へ指先を添える。
それに応えるように、夫は妻の指先へ手を重ね――強く握る。
アカネ
「私たちは政府に逆らえない」
ソウタ
「……」
夫は息を殺して涙を流す。
ソウタ
「なら……」
アカネ
「ん?」
妻は小さく首を傾げる。
アカネは心の底で嫌な予感しかしなかった。
ソウタ
「俺は…お前を……」
「アカネを」
優しかったその手は私の首へ移動する。
「俺と一緒に…」
首がゆっくり絞まる。
アカネ
「ソウ…タ…」
「……やめてっ」
私は夫の手首を掴んだ。
アカネ
「生きて…」
ソウタ
「嫌だ…お前が居ない世界なんて…」
「死んだほうがマシだ!!」
締め付けが強くなる。
苦しい。もがく。
アカネ
「まだ…っ…じっ…時間ある」
「傍に……いて…」
涙で濡れた頬は小さく微笑んだ。
夫は妻のその微笑みに手を離した。
リビングの床で二人は一夜を明かした。
ソウタ
「来るな…奴ら……」
アカネ
「そうだね…」
夫は立ち上がった。
キッチンへ向かって歩いて行った。
アカネは体を起こし視線で追った。
アカネ
「レモンティーが飲みたいな」
いつもの返答が返ってこない。
――ピンポーン
朝早くチャイムが鳴る。
アカネは立ち上がり玄関へ向かった。
玄関のチェーンへ手を掛けた。
その瞬間、夫に強く抱きつかれた。
ソウタ
「アカネ…」
何かが引き抜かれた。
今度は確実に何かが体を貫く。
ソウタ
「…アカネ」
――熱い…
痛い…――
ソウタ
「一緒に逝こう」
――ピンポーン ドンッ ドンドンドンッ
バァーン!!
――玄関ドアが開く。
ドア先には武装集団。
アカネは赤く染まった手を前へ差し出した。
夫の刃先が妻の首を――血しぶきが壁一面に広がった。
パァァーンッ――
銃声。
――火薬の匂い。
アカネの意識は途絶えた。
◇◆◇
風の音。
息ができる。そっと――瞳を開く。
そこは玄関前。
玄関には赤札が貼られている。
“召集令状
モリノ アカネ
右召集ス
九月六日午前七時
○○地区軍司令部ニ出頭スベシ
本令ニ背キ、又ハ召集ヲ忌避シタル者ハ、国家ニ対スル反逆行為ト見做シ、之ヲ処断ス。
○○地区軍司令部 印”
……。
???
「アカネどうした?」
アカネは声の方へ振り向く。
夫が近づいてくる。
――撃たれたはずでは?
ソウタ
「ん?どうした…顔色悪いぞ」
「何があった…」
夫は赤札を見て目を見開く。
ソウタ
「…!」
「赤札!!」
「嘘だ…」
夫は玄関に貼られた赤札を剥がす。
破り捨て靴で踏みつけた。
アカネの腕を掴み、家へ入った。
木枯らしに乗り赤い塵が宙へ舞った。
――同じだ。
ソウタ
「行くな!!」
ダイニングテーブルの前で妻の肩を掴む。
アカネ
「……それは」
わかっているが……。
ソウタ
「アカネ!!」
夫に強く抱き寄せられた。
アカネも涙を流しながら抱き返す。
アカネ
「ソウタ…」
ソウタ
「行くな…お願いだ…」
夫の瞳から涙が落ちる。
アカネ
「ソウタ、愛してる…」
夫の頬へ指先を添える。
それに応えるように、夫は妻の指先へ手を重ね――強く握る。
アカネ
「逃げようか」
ソウタ
「……」
夫は息を殺して涙を流す。
ソウタ
「どうせ死ぬ」
「なら……」
アカネ
「ん?」
妻は小さく首を傾げる。
――ああ……。
ソウタ
「俺は…お前を……」
「アカネを」
優しかったその手は私の首へ移動する。
「俺と一緒に…」
首がゆっくり絞まる。
アカネ
「ソウ…タ…」
「……やめてっ」
私は夫の手首を掴んだ。
「今から逃げよう」
「限界まで逃げよう…一緒に。ね?」
二人は玄関を飛び出した。
繋いだ手は離さずに――駆け出す。
スッ…トン――ドサッ!
え…。
後ろを振り返る。
軍服を着た兵士が銃を向けていた。
兵士
「モリノ・アカネ、出頭せよ」
地面一面、赤く染まる。
アカネ
「ソウタ!!!」
「ソウタ…」
「嫌…いやぁぁぁ!!!」
「ああああ!!」
アカネは兵士へ向かって駆け出す。
包丁を振り下ろす。
トッ――トトッ
血しぶきと共に地面へ倒れた。
◇◆◇
風の音。
息ができる。そっと――瞳を開く。
そこは玄関前。
玄関には赤札が貼られている。
え……。
またここ?…ってことは、ソウタが来る。
ソウタが近づいてきた。
アカネは咄嗟に赤札を背に隠す。
ソウタ
「ん?どうした…顔色悪いぞ」
「何があった…」
「…!」
アカネの腕を掴み引き寄せた。
「赤札!!」
「嘘だ…」
ソウタは玄関に貼られた赤札を剥がす。
破り捨て靴で踏みつけた。
――同じだ…。
アカネの腕を掴み、家へ入った。
木枯らしに乗り赤い塵が宙へ舞った。
夫は玄関の鍵とチェーンを掛ける。
アカネはそっと――それを解除した。
靴を脱いでリビングへ向かう。
ソウタはダイニングテーブルの前で妻の肩を掴む。
ソウタ
「行くな!!」
アカネ
「……」
まったく同じだ。――ループしてる。
ソウタ
「アカネ!!」
夫に強く抱き寄せられた。
涙を流しながら抱き返す。
アカネ
「ソウタ…」
ソウタ
「行くな…お願いだ…」
夫の瞳から涙が落ちる。
アカネ
「ソウタ、愛してる…」
夫の頬へ指先を添える。
それに応えるように、夫は妻の指先へ手を重ね――強く握る。
アカネ
「私たちは政府に逆らえない」
ソウタ
「……」
夫は息を殺して涙を流す。
ソウタ
「なら……」
アカネ
「……」
優しい瞳で首を傾げる。
ソウタ
「俺は…お前を……」
「アカネを」
優しかったその手は私の首へ移動する。
「俺と一緒に…」
首がゆっくり絞まる。
アカネ
「ソウ…タ…」
「……やめてっ」
私は夫の手首を掴んだ。
アカネ
「生きて…」
ソウタ
「嫌だ…お前が居ない世界なんて…」
「死んだほうがマシだ!!」
締めつけが強くなる。
苦しい。もがく。
アカネ
「まだ…っ…じっ…時間ある」
「傍に……いて…」
涙で濡れた頬は小さく微笑んだ。
夫は妻のその微笑みに手を離した。
リビングの床で二人は一夜を明かした。
ソウタ
「来るな…奴ら……」
アカネ
「そうね…」
夫は立ち上がった。
キッチンへ向かって歩いて行った。
アカネは体を起こし視線で追った。
アカネは玄関へ向かった。
――ピンポーン
自宅のチャイムが鳴った。
アカネ
「はーい」
躊躇無く玄関を開けた。
パァァーンッ――
銃声。
――火薬の匂い。
息が詰まった。
背後で何かが倒れる音。
アカネは背面へ突き飛ばされていた。
背に濡れる、生暖かい――赤い液。
微かに聞こえる。
――ソウタの声。
ソウタ
「護れなくて…ごめん……ね」
視界に映る――軍服の男。
アカネへ屈む。
「――悪く思うな」
アカネ
「ふざけんな…」
赤く染まった服で起き上がる。
ソウタの手から果物ナイフを拾う。
軍服の男へ果物ナイフを突き刺した。
「そうか――」
パァァーンッ――
頭部貫通。
◇◆◇
風の音。
息ができる。そっと――瞳を開く。
そこは玄関前。
玄関には赤札が貼られている。
ソウタが来る。
近づいてきた。
赤札を隠さなかった。
ソウタ
「ん?どうした…顔色悪いぞ」
「何があった…」
「…!」
アカネは抵抗することなくソウタに抱き寄せられる。
「赤札!!」
「嘘だ…」
ソウタは玄関に貼られた赤札を剥がす。
破り捨て靴で踏みつけた。
――ああ…。
アカネの腕を掴み、家へ入った。
木枯らしに乗り赤い塵が宙へ舞った。
夫は玄関の鍵とチェーンを掛ける。
アカネはそっと――それを解除した。
靴を脱いでリビングへ向かう。
ソウタはダイニングテーブルの前で妻の肩を掴む。
ソウタ
「行くな!!」
アカネ
「……」
――次は『アカネ!!』ね。
ソウタ
「アカネ!!」
夫に強く抱き寄せられた。
無情に抱き返す。
アカネ
「ソウタ…」
ソウタ
「行くな…お願いだ…」
夫の瞳から涙が落ちる。
アカネ
「ソウタ、愛してる…」
夫の頬へ指先を添える。
それに応えるように、夫は妻の指先へ手を重ね――強く握る。
アカネ
「私たちは政府に逆らえない」
ソウタ
「……」
夫は息を殺して涙を流す。
ソウタ
「なら……」
アカネ
「……」
優しい瞳で首を傾げる。
ソウタ
「俺は…お前を……」
「アカネを」
優しかったその手は私の首へ移動する。
「俺と一緒に…」
首がゆっくり絞まる。
アカネ
「ソウ…タ…」
「……」
私は夫の手首を掴んだ。
アカネ
「生きててほしい…」
ソウタ
「嫌だ…お前が居ない世界なんて…」
「死んだほうがマシだ!!」
締めつけが強くなる。
苦しい。もがく。
アカネ
「まだ…っ…じっ…時間ある」
「傍に……いて…ね?」
涙で濡れた頬は小さく微笑んだ。
夫は妻のその微笑みに手を離した。
リビングの床で二人は一夜を明かした。
ソウタ
「来るな…奴ら……」
アカネ
「そうね…」
夫は立ち上がった。
キッチンへ向かって歩いて行った。
アカネは体を起こし視線で追った。
アカネは玄関へ向かった。
――ピンポーン
自宅のチャイムが鳴った。
アカネ
「はーい」
躊躇無く玄関を開けた。
パァァーンッ――
銃声。
――火薬の匂い。
息が詰まった。
背後で何かが倒れる音。
アカネは背面へ突き飛ばされていた。
背に濡れる、生暖かい――赤い液。
微かに聞こえる。
――ソウタの声。
ソウタ
「護れなくて…ごめん……ね」
視界に映る――軍服の男。
アカネへ屈む。
「――悪く思うな」
意識が――遠ざかる。
アカネ
「だ…れ……」
言葉が途切れる。
【Luck Level 44】
【Misfortune Level 56】
Ep.4// 44456 END
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