Re: Re: Re: 9 // The Destroyer & The Resister
観測者
[次の更新は1時10分です。]
【00:01:45:56】【00:00:54:23】
我らに出来ないことはない。
我らに干渉するもの排除せよ。
【00:01:44:33】【00:00:52:55】
幸福は人類を壊すそのもの。
愛すること争いそのもの。
【00:01:43:44】【00:00:51:34】
反する存在を壊せ。
そして、生を繰り返せ。
我らは正しい世界へ導く。
〝天秤よ――この世の中を救いたまえ〟
カルディ
「ただの天然石じゃない」
「……しかも純度100%よ」
直樹
「じゃあ…あの時のスゥって…」
カルディ
「体内の方じゃないかしら」
チャーリー少将
「外した時、停止したのが気になるな…」
「AIなら停止しても解析は可能なはずだ」
カルディ
「この石、なんにも加工されていないわよ…」
直樹
「ちょっと、あの二人のところへ行ってきていい?」
チャーリー少将
「俺も行く」
カルディ
「石のことなら任せなさい」
直樹と少将は、音もなく姿を消した。
【00:00:58:43】【00:00:06:24】
真彩の部屋。
ジョウの真後ろに姿を現す二人。
直樹&チャーリー少将
「「…っ!!」」
真彩
『し〜っ』
真彩は二人を手招きする。
音を立てずに二人は真彩の元へ歩み寄る。
直樹
『母さん…何やってるの?』
真彩
『二人きりにしてみたの』
チャーリー少将
『で、ラブラブを眺めてるわけ』
真彩
『うん!』
直樹
『悪趣味過ぎる』
チャーリー少将
『でも…好都合だな』
直樹
『確かに。ちょっと調べさせていただきますね〜』
UIを展開。
ジョウとアカネを体内スキャンする。
チャーリー少将
『ん?』
直樹
『あれ?何もなくない?…』
チャーリー少将
『ないな…』
スッと空気が一瞬で重くなった。
【我らに触れようとする者。】
【なんたる愚か者か。】
更にノイズが走る。
【天秤に干渉するもの。】
【我らが排除する。】
直樹と少将の脳内に秒針の音が鳴り響く。
【00:00:52:22】【00:00:00:05】
Guiar&Ratio&Dovira
【【【熱源を検知。】】】
チャーリー少将
「伏せろ!!!」
ジョウ&アカネ
「「っ!!」」
海外の軍基地で大規模な爆発があり、威力は広島の原爆と同じ規模だったと世界中のニュースで取り上げられた。
時間差で二度目の爆発があり、どれほどの死傷者が出たのかは見当もつかなかった。
Re: Re: Re: 9 // The Destroyer & The Resister
ポチャ…ン――
水面に波紋が広がる。
いくつもの水滴が水面に滴る。
音だけが反響し聴覚を刺激する。
風のない漆黒の空間。
輪郭のみが白く目立たせた。
――ピーィィ
KITEの鳴き声。
羽ばたきながらジョウの傍に降り立つ。
KITEはジョウの顔を覗き込む。
――ピュルルゥ?
小さく首を傾げた。
ジョウは静かに寝息を立てていた。
KITEの存在さえ気づかずに……
「起きろ…」
KITEはジョウの上に飛び乗り服をくちばしでつついた。
「起きろって」
KITEは焦り始める。
ジョウの耳元へくちばしを近づけた。
――ピィィィロロロォ
大声で鳴いた。
ジョウは飛び起きる。
KITEは翼を羽ばたかせ水面に飛び降りた。
「耳がっ!!」
耳を押さえて悶える。
「たく…駄目だろ!流石にイタズラが過ぎる」
ジョウはKITEを睨みつける。
KITEは翼を広げた。
「アカネ探そう?」
「アカネって誰だ」
ジョウはKITEへ首を傾げる。
「…あれ?誰だっけ?」
KITEは小さく鳴きながら首を傾げた。
「…連れを探そう」
「ああ…」
ジョウは立ち上がる。
ピチャッ ピチャ…
「肩乗っていい?」
「来い」
KITEは翼を羽ばたかせジョウの肩へ乗った。
――ピーィィ
誰かを呼ぶようにKITEは鳴いた。
「おーい!!イブ!!」
名前を呼んだはずがこの空間に音が伏せられた。
光りが一切ないこの空間を輪郭の白い線だけが動く。
ピチャ…ピチャ ピチャ
歩く度に空間に響く――水の音。
しばらく、周囲を見渡しながら歩いた。
突然KITEが羽ばたき水面に降り立った。
KITEの目先には女性が倒れていた。
ジョウは駆け寄る。
「おいっ!」
女性の肩を揺さぶる。
「起きろ!!」
女性は微かに何かを囁いていた。
「アダム怖いよ…」
「助けて…アダム」
ジョウはイブを抱きしめた。
KITEはイブの膝に乗り悲しそうに鳴き出した。
ピュルル…ピィー…
「イブ…起きてここから出よう」
イブはそっと瞼を開けた。
「早く帰りたい…」
「うん」
互いに頬を触れ合った。
〝ここに留まっていてはいけない。今すぐここから出ていけ〟
謎の声と共に空間全体が震えた。
二人は立ち上がり抱き合った。
「この空間から出よう」
「出口を探そう」
「また、地獄へ連れて行かれる」
二人は必死に走った。トビは二人の先頭を飛ぶ。
四方八方何もない方向がわからない。
何処へ向かっているのかも…わからない。
〝逃れられると思っているのか?〟
〝神を翫ぶ者〟
〝ここへ訪れたのは罰だ〟
〝死に戻りの世界へ戻してやろう〟
「嫌!!」
「もう勘弁してくれ!!」
――チリン
鈴の音が波紋の様に鳴り響いた。
――パリンッ!
空間にヒビが入った。
ヒビの隙間から神々しい光りが入り込んでくる。
「っ!!」
「眩しいっ!!」
二人はあまりの眩しさに強く抱きしめ合った。
イブを護る様に抱き寄せ直す。
突然、床が抜ける。
「きゃああっ!!」
「うわああああ!!」
――ドスンッ!
ガチャン ガラガララ……
背中を激しく強打。
アダム
「ゲホッゲホッ……」
イブ
「アダム!大丈夫??」
彼女は心配そうに顔を覗き込んでくる。
――ここから脱出しないと永遠に繰り返す。
トビ
「天然石はもうないよ」
トビも首を傾げて覗き込んでくる。
アダム
「え?」
咄嗟に胸元を触れた。
埋め込まれていた誕生石は跡形も無くなっていた。
【我らが居なくなったと思いました?】
【理から逃れられると思わないでくださいね】
突然、脳内で語りかけられた。
二人は見つめ合い震える体を支え合った。
観測者
[最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。]




