Re: 3 // Even at the cost of my own life
観測者
[しつこいぞ!!]
ザザッ――
――ギョエエエー
アカネ
「しゃ!猪肉ゲット!」
猪が罠に掛かり宙に浮いている。
アカネ
「仕留めますね〜」
猪へサプレッサー銃を向け撃ち込んだ。
――トンッ
スゥ
【上機嫌ですね。】
アカネ
「肉よ肉!」
「久々のステーキよ!」
猪を引きずりながらジョウの元へ向かった。
Re: 3 // Even at the cost of my own life
――ザァァァー
川の流れる音が聞こえてくる。
アカネ
「ああ!汗流したーい!」
そうボヤきながらキャンプ場へ辿り着いた。
アカネ
「ジョウ!見てみて!」
引きずってきた猪をポンポンと叩いた。
ジョウ
「おお!でかした!」
「さっさと捌こう」
アカネ
「そっちの罠はどう?」
ジョウ
「順調だ。明日の朝食には穫れる」
アカネ
「それ最高!」
ジョウ
「さて、今夜はステーキだな!」
アカネ
「旨々ですなぁ〜」
――ピーロロロォ
アカネ
「おや?この肉狙ってる?」
ジョウ
「僕らだけじゃ食いきれないし」
???
『いらねーからな』
ジョウ
『遠慮すんな』
???
『腹が立ったので帰りますね』
アカネ
「トビどっか行っちゃったよ」
アカネはジョウへ視線を戻した。
捌いていた手が止まっている。
ジョウの顔を覗き込んだ。
アカネ
「ん?どうしたの?」
ジョウ
「いや…何でもない」
トビは背筋がゾクゾクとした。
テントから離れた岩陰へ降り立つ。
翼を広げて休んだ。
観測者
『乗り込まれても困るのでね』
ジョウ
『……』
◇◆◇
観測者
「おい!」
ジョウは背を向けたまま何も語らない。
観測者
「無視すんな!!」
「これ以上勝手な真似してみろ!!」
ジョウ
「脅しか?」
観測者
「ああ!脅しだ!」
ジョウ
「ふっ…」
観測者
「あっ!今鼻で笑ったな!」
「腹立つー!」
「仕方なくやってる感するんだが?」
ジョウはこちらを振り向き、関節を鳴らしながら近づいてくる。
観測者
「睨むな。その手は何だ…殴る気か?」
ジョウに胸ぐらを掴まれた。
観測者
「はい、お待ちしてました」
「前回で解決していないことわかっていました」
ジョウから視線を逸らした。
観測者
「天秤から逃れられません。この腐った世界から逃れることができます」
ジョウ
「………」
観測者
「異世界の方が平和だろ。…こんな世界より」
「でも、今までの経験は必ず活かせる」
「ジョウ。お前の言葉が聞きたい」
ジョウ
「仲間は…」
観測者
「元KITE隊か?」
ジョウ
「ああ…」
観測者
「どうして欲しい」
「……一緒に行動したい?」
ジョウ
「………」
観測者
「黙って俯かれても困るんだが」
「救いたい…でいいのか?」
「ただし、同じ天秤の上には立てない」
「何が言いたいかわかるか?」
「敵になる可能性がある。いいのか?」
「殺し合いたくないだろ」
ジョウ
「当たり前だろっ!」
ジョウは拳銃を自分のこめかみに向けた。
観測者
「銃を降ろせ…無理だ!」
「死に戻りするチェックポイントがズレている」
「すまないが…もう――戻れない」
「ここで死んでアカネはどうする気だ」
「別軸に飛んでもいいのか?」
ジョウは怒りで震えていた。
頭から銃を離した。
ジョウ
「クソッ!!」
観測者
「そうだ。仕舞え」
「ジョウ聞け」
「とある世界に接続していいか?」
ジョウ
「…とある世界?」
観測者
「この腐った世界に戻りたければ、いつでも戻ればいい」
「胸の誕生石に願え」
「入口は開けた」
「私はいつでも準備できている」
ジョウ
「勝手に…何が起きる」
観測者
「異世界へ行ける。往復できる」
「何が起きるかは…筆に聞け」
「自由に羽ばたいてこい」
〝 私はお前たちを幸せにしてやりたい 〟
観測者
「行け!」
彼を突き放した。
◇◆◇
――ザァァァー
(川の音…)
微かに冷たい風が頬を撫でる。
アカネ
「ジョウ?おーい」
僕の体を揺らす湿った小さな手。
「寝てんのか?仕方ないな〜」
――ザッザッザッ…
僕から遠ざかる音。
ジョウ
「ん?」
(なんだか嫌な予感がする)
視界がハッキリと見えるようになった。
手にはナイフ。猪を捌いてる最中だった様子。
ぴとっ
一雫が髪に浸透し頭皮に落ちた。
ジョウ
「やめ…!」
じょぼ じょぼ じょぼ〜
水を頭から注がれた。
ジョウは水の冷たさに硬直する。
ジョウ
「おまえ…」
ナイフから手を離す。
ジョウ
「やったな!!」
立ち上がりアカネへ抱きついた。
アカネ
「手!手洗え!!その手でやめろぉぉ!!」
ジョウ
「あ…」
抱き寄せる腕を解き、両手を見た。
猪の血で真っ赤に染まっていた。
ジョウ
「ごめん…」
手を洗いに川へ向かった。
――ピーロロロォ
天高くトビが飛んでいる。
――私はお前たちを幸せにしてやりたい
この言葉を信じてもいいだろうか…。
ジョウ
「ラン…」
ラン
【はい。お呼びでしょうか?】
ジョウ
「扉どうやって開くんだ?」
アカネ
「扉って何?」
背後にアカネが立っていた。
汚れが落ち川から手を引き上げる。
首に巻いていたタオルで手を拭いた。
(濡れてるんだった…)
タオルを絞る。
――ビチャビチャ
ラン
【扉の開放には合言葉が必要です。】
ジョウ
「は!?聞いてないぞ!!」
アカネ
「何?どうしたの??」
「さっきからジョウ変なんだが」
ジョウ
「おい!!ピ郎!!」
ジョウはトビに向かって叫んだ。
観測者
『誰がピ郎だ!!』
ジョウ
「合言葉ってなんだよ!!」
観測者
『うるせーな!!いい加減告れよ!!』
ジョウ
「は!?」
だんだん体が熱くなった。
顔を赤くしたジョウは、ゆっくりアカネへ振り返る。
ジョウ
「アカネ」
アカネ
「何?」
小さく首を傾げる。
ジョウ
「僕と幸せになってくれませんか?」
アカネ
「何を!この世界でっ!馬鹿なこと言ってんの!?」
顔を真っ赤にしてジョウの頬を引っ叩いた。
――パンッ!
いい音が鳴り響いた。
それでもアカネへの視線は外さなかった。
そっと膝まずき小さな手を取った。
ジョウ
「僕の傍で笑っててくれませんか?」
アカネ
「何馬鹿なこと言ってるの?」
ジョウ
「愛してしまったんだ」
「――アカネ。キミを…」
アカネは視線を逸らした。
ラン&スゥ
【【警告!警告!】】
赤いレーザーがこちらへ集中する。
ジョウは焦った。
ジョウ
「アカネ!返事をくれ!」
アカネ
「でも敵が!!」
ジョウ
「アカネ!!!」
アカネ
「馬鹿…」
ふわっと唇が重なった。
ラン
【扉を開放します。】
捌きたての猪以外すべてが消え去った。
「き…消えた!!」
「な…何が起きてる!!」
「幽霊!?」
――ギャァァー
敵は血相を変えて逃げ帰って行った。
観測者
[やっと告ってくれたよ…やれやれ…。]
[最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。]




