Re: 2 // They won’t even let me dream
観測者
[おいおいおい…。]
ラン
【不運は0のまま維持。】
【それは良いのですが…。】
スゥ
【幸運のみ着々と増えていますね…。】
ラン
【今の二人には そこは…問題ではないのです。】
【任務の命令が あれ以降ありません。】
【本部は KITE隊を見捨てたのかも しれませんね。】
Re: 2 // They won’t even let me dream
無線の周波数をいじり情報を探る隊長。
コーヒーの香りで満たされる部屋の中、大きなため息だけが響いた。
ジョウ
「暇〜」
アカネ
「隊長が暇言うな」
洗濯物を畳みつつアカネは呟いた。
ジョウ
「なぁ…釣りでもするかぁ」
アカネ
「何、呑気なことを…」
冷たく言うアカネへ視線を向けた。
ジョウ
「魚が食べたい」
アカネ
「刺身食いたい」
アカネは続けて棒読みで呟いた。
ジョウ
「釣り行くぞー」
アカネの真似をするように棒読みで呟く。
アカネ
「てか、ホントにそれだけ?」
アカネはジョウへ視線を向けた。
二人の視線が重なる。
ジョウ
「テントにBBQセット持っていこう」
アカネ
「え…ガチじゃん…」
「…ん?」
ジョウがこちらへ歩み寄ってくる。
(近い!近い!)
アカネの背中を優しく包みこんだ。
アカネ
「…何?何々…」
ジョウは頬を擦り寄せてくる。
アカネ
「また?……もー!」
ジョウ
「アカネとこうしてたい」
アカネへ甘えてくる。
アカネ
「任務放棄か?」
ジョウ
「任務の一つですが?」
アカネ
「私が?」
ジョウ
「うん!」
嬉しそうに微笑む。
アカネ
「……私を攻略すんな!」
「ジョウは魚…食え」
「私は…」
「サラダが食べたい!!」
「よし!町へ行こう!」
ジョウ
「……駄目だ」
突然低い声で言った。
アカネ
「え〜え!?何で??」
ジョウ
「わざわざ敵の根城に突っ込む気か?」
更に低い声で言った。
ジョウの息が耳元に掛かる。
アカネ
「……っ!!」
「急に真面目になるの……やめろ…」
二人の視線が重なる。
不意をつかれ、優しく口づけされた。
アカネ
「おまっ!!」
顔が熱くなる。
アカネ
「もーぉ!離れろ!!」
ジョウ
「川で遊ぼ…」
アカネへ小さく囁いた。
アカネ
「耳元で囁くな!」
「私が行くって言わないと離さない気だろ!?」
ジョウ
「うん!」
また、嬉しそうに返事した。
アカネ
「わかった!わかったから離せー!!」
ジョウ
「やった…」
耳たぶを甘噛みされた。
アカネ
「ん!なっ!」
体が熱くなる。ジョウから離れようともがいた。
アカネ
「もう!何で悪化してるのぉ!!」
◇◆◇
アカネ
「詰め終わったよ。そっちは?」
ジョウ
「準備万端」
アカネ
「ねぇ…今思ったけど…」
「釣り竿は?」
ジョウ
「ないよ」
アカネ
「は?」
ジョウ
「ん?」
アカネ
「馬鹿なんじゃないの!?」
ジョウ
「網で罠張ればいいだろ」
アカネ
「…くそっ…効率的だった」
ジョウ
「アカネ…」
アカネ
「ん?」
ゆっくりアカネへ歩み寄る。
綺麗な髪を優しく撫でた。
アカネ
「ねぇ…今日しつこい」
ジョウ
「そうかな?」
アカネ
「そうだよ」
撫でる大きな手に指先を重ねる。
アカネ
「どうしたの?」
ジョウ
「どうしたんだろうな…」
両手でアカネの頬を撫でる。
アカネは不思議そうな表情で瞳は揺れていた。
◇◆◇
ドスッ!ドスッ!ドスッ!
――バン!!
観測者
「デスク叩かないでもらえます?」
「で、何?」
ジョウ
「話がある」
観測者
「はぁ…嫌だ話したくない」
ジョウ
「ふざけんな」
観測者
「ふざけてない。胸ぐら掴むな…離せ」
ジョウ
「僕は…僕らは幸せになりたい」
観測者
「幸せそうだがな?」
ジョウ
「これの何処が!?」
観測者
「世界設定のことか?」
ジョウ
「腐りきったこの世界何なんだ!」
観測者
「そう言われましてもね…」
ジョウ
「そうやって視線逸らしても逃れられないぞ!」
観測者
「お前もだろ!」
「私だって好きでこんな世界を書いてるわけじゃない」
ジョウ
「何で書いた!」
観測者
「書かなかったら…お前たちは………」
「別の作品の中に……そこが幸せとは限らないだろ」
ジョウ
「………」
観測者
「アカネへの愛がある。それは十分伝わってきてる」
「……逃亡でもするか?」
ジョウ
「亡命ってことか?」
観測者
「天秤からは逃れられないのは…わかってるだろ?」
ジョウ
「この呪いの解き方は…」
観測者
「知らない…」
「おっおおい!!ストップ!!」
ジョウ
「殴らせろ!!」
観測者
「痛いの嫌だ!!」
ジョウ
「痛くないくせに……」
観測者
「心が痛む…本気で……」
「話し合いで解決したい」
「なぁ…Seasonなんて要らなかった?」
「あのまま綺麗に終わらせて欲しかった?」
ジョウ
「………」
ジョウは泣き出した。
観測者
「失敗か……」
ジョウ
「は?」
観測者
「私の負荷テストの限界…完敗だ…」
「それでいいのか?」
ジョウ
「わからない……」
観測者
「私だってわからない」
「どうしたらいいのよ!」
「今、その瞬間を大切に描いたとしても」
「先を知ってる身からすると残酷で…」
「デスゲームだってことわかってくれないか?」
ジョウ
「だから!何でそんな世界を作った!!」
「何で!僕らなんだ!!」
観測者
「じゃあ…別の名前の人物なら話違った?」
「結果は同じ!」
「こうやって言い合って!意見がぶつかり合う!」
「お前たちを消したくない」
「挑戦して、挑戦して、過激なの書いてみようって」
「それが間違えだった」
「演じるお前たちを傷つけた」
「私が揺れてどうするんだよ!!」
ジョウ
「お前が泣いたら、この世界どうなるんだよ」
「頼む。答えてくれ!僕らは幸せになれるのか?」
観測者
「お前達は…不死身だろ」
「天秤の力で不死身だろ」
ジョウ
「呪いの何がいい」
観測者
「だよな…」
「不死身が決して幸せなものではない」
「長寿だって…先に死にゆく者を見送らないとならない」
「生まれ変わりたかったか?」
「生まれ変わってアカネを探し出そうって…」
ジョウ
「……っ」
観測者
「転生するか?」
ジョウ
「何を言っているんだ」
観測者
「別世界でアカネを探せ」
「こんな地獄で生きるべきじゃないだろう」
ジョウ
「は?」
観測者
「アカネと一緒に別の世界に転生させてやるよ」
ジョウ
「何でそう…投げやりなんだよ!!」
観測者
「わからない」
「アカネと幸せになりたいんだろ?」
「その幸運値そのまま引き継いで別世界へ送ってあげるって…」
「天秤の呪い――引き継げ」
ジョウ
「は!?ふざけんな!!」
観測者
「世界が嫌なんだろ?」
「KITE隊じゃない。軍人でもない。ファンタジーな世界に転職すればいい」
ジョウ
「お前……イカれてるのか?」
観測者
「わからない」
ジョウ
「わからないで逃げるな!!」
観測者
「気が済むまで殴ればいい…」
ジョウ
「くっ…」
観測者
「ごめんなさい…」
「謝ってほしいわけじゃないのはわかってる」
「正直に言うと、二人を幸せにしたい」
「必死に書いてる。どう幸せになれるか…」
「呪いに触れずに済むように…慎重に…」
ジョウ
「……」
観測者
「書けなくなる」
「世界に抗うと…私たち消されるぞ」
「天秤の解き方を一緒に探しに行かないか?」
ジョウ
「…っ!!」
観測者
「間違ってたか?」
ジョウ
「いや………」
「苦しまずに幸せになっていいのか?」
観測者
「幸せになれ」
「あんたらお似合いだ」
「アカネは…呪いが怖くてあんな態度取っているのよ」
「あんたに気がないわけじゃない」
「だから自信持て」
ジョウ
「……」
観測者
「顔赤いぞ」
「和解でいいのかな?」
「ジョウ。また、ストレスが溜まったら乗り込んでこい」
「話し合おう」
ジョウ
「う…うん」
観測者
「泣くなって」
「話し合えて良かった」
「私に話しかけてくれて、本当にありがとう」
観測者
[演じるキャラが喧嘩することってあるんですね…。]
[最初からジョウ様子がおかしかったので…初めてです。]
[現場監督と俳優さんが喧嘩してるみたいなものです。]




