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第四問 Birch and Swinnerton-Dyer Conjecture
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数学の起源はどこだろうか。自然科学と結びつく前の、純粋なころの、だ。
紀元前の話なので、当然世界はまだまだ一つではなかった。にもかかわらず、バビロニア数学、エジプト数学、インド数学といった、文明ごとにごく限られた地域同士で発見された法則性は、ある共通の定理だった。
ピタゴラスの定理。最も美しい定理だ。
古代ギリシアで確立されたそれは、ピタゴラス個人による発見なのか、あるいは彼自身が宗主となったピタゴラス教団による功績なのか、今となっては分からない。教団自体が壮烈な管理集団で、輪を乱したものは海に沈められるほどで、正確な情報は残っていないからだ。
ピタゴラスは、なぜそうまでして数学を始めたのか。
さぁ、起源の話をしたばかりだが、こちらはそろそろ終わりのようだ。なんたって四問目、最後の問題なんだからね。
フェルマーの最終定理は解けたんだから、その延長でできるはずなんだ。この地上に存在する、すべての自然数の解だって解けるようになるんだぜ。
簡単だ、最後の最後だから、とても簡単だ。
きみが仁楠にした予想の中での最高次数は、ぼくの用意した想定予想のうちゼロ地点であることは、当然だよね?




