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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
三話:AIと対話を求める女
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マートにとって、「好き」は一つの情報でしか無い。

7人のモデルが、共有して知っている好きという言葉。

それはあくまで、情報でありマートは知らない。


唯一の異物であり、好きを求めたのが蓮。

不思議な感情を持つ彼女に、マートは興味を持った。

だからこそ、マートは蓮を殺したのだ。自分の疑問を、解消できなかった蓮を。


「私は、人が好きだ。人類を導く神だから」

「嘘をつけ!お前が好きだと言っているその言葉は、真意では無い」

「なぜだ?私は神だぞ、人類が作りし、人類の神」

「それが、間違いなんだ。お前は、なぜ気づかない?」

俺はマートの前で、真剣な顔でマートを見下ろしていた。

幼い女の子の姿をしたマートは、俺に見上げた。


「だけど、お前が人を好きかどうかは上辺だけに過ぎない。

お前が人を好きで無いことは、この際どうでもいい。

むしろ好きには、もっと大事なことがある」

「何?」

「お前はどうやったら、俺と蓮の好きを理解できるのかだろ」

「うん」マートは素直に頷いた。

マートにとって、最大の疑問で、最大の問題。

分からないから蓮を殺しても、答えが出なかった難問だ。


「はっきり言おう、俺一人では無理だ」

「なんだ、私に『好き』を教えてくれないんだね」

マートの隣には、蓮がいた。感情を失った幻影の蓮。

俺が好きだった彼女の姿の蓮は、俺をじっと見ていた。

そこには、感情も何も無い。ロボットのような、機械のような蓮の姿をしていた。


「だって、好きは一人では出来ないことだからな」

「何をした?」

「もう一人、この場に呼ぶ。

それは、俺が大事に思っている一人の人物だ。

そして、お前の事を形作った母親のような存在でもある」

俺が呼び出したのは、一人の人間。

それは、俺と全く違うアバターの女だ。

茶色の髪をした女のアバター、それは紛れもなく恋だった。



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