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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
三話:AIと対話を求める女
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マートには、7人のモデルが存在する。

その中の感情は、7人の誰かを元に作られたモノだ。

7人のモデルを結合させて、AIが判断させて造り出した存在こそマートだ。

この世界の神は、実に単純で複雑な構造をしていた。


「私とあなたの好きが、違う?なんでそんなことが、あなたは言えるの?」

「お前は、何も知らない事を学びたい好きだ。

俺は愛しているの好きで、お前とは根本的に違う。

情報として、各人の記憶からお前は呼び出したのだろう」

マートの情報は、7人のモデルの記憶と記録。

彼女は、情報としてしか知らない好きの文字。

マートにとって、好きはあくまで一つの情報だ。


「いいか、好きには情報だけではどうにもならない。

好きは情報では無い、単語だけでも無い。感じるモノだ。

感じて、思って、好きだという想いがお前の知らない好きだ」

「そんなのは、私は知らない」

幼いマートは、拗ねた顔を見せた。

ようやく、マートは感情を俺の前で見せてきた。


「知らないか、そうだよな。

こんなセントラルタワーの中で、ボッチ生活をしていたら分かるわけが無い。

誰とも会話をしないで、ただ情報だけを見て多くの人間を選び……選定し……殺す。

お前は全知全能の神でアリながら、孤独なのだから」

「それは私の役目。人類が与えてくれた私の仕事」

「お前は、それでも蓮が調べてくれたのだろう」

「蓮は、おかしな人だ」

マートのそばには、蓮がホログラムで姿を見せた。

見せた蓮の姿は、スーツを着ている凜々しきOLの格好。

仕事が出来そうな知的な蓮は、俺もよく知っている姿だ。


「お前にとって、それが蓮の姿か?」

「蓮は、私といつも会話をしてくれた。おかしな人だ」

「蓮はおかしくない、お前を哀れんでいた」

「哀れむ?なんで?」

「お前が、とてもかわいそうだと思えたからだ」

「なんでかわいそうなの?私は神よ」

「神だから……人を好きになれないから」

俺は、はっきりと言い放った。

マートは、首をかしげて俺の話を聞いていた。



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