048
次に光が差し込んで、暗闇から明るくなった。
見えた明かりはやはり、セントラルの中央の部屋。
真っ白な壁の円形の部屋。ドローンから、俺は霊体が飛び出て自分の体になっていた。
出てきた俺のアバターは、俺によく似ていないマートのアバターだ。
「やっぱりこの姿か。セントラルの中では、どうしてもこの姿になるのか」
「そう、あなたは私と一緒に人類の滅亡を見るの」
出てきたのは、幼い顔の女の子だ。
見た目は幼いけど、冷めた顔をしたマートがそこにいた。
この顔は、恋の顔をさらに幼くしたような顔だ。
「随分と、短気なことだ」
「私は好きを知らないから、滅ぼしておくの」
「そうまでして、好きを知りたいのか?」
「蓮は、あなたが好きだった。
私を好きになってくれないから、私は人類を滅ぼす」
「それよりも、お前は蓮が好きだったのか?」
「多分、好き」マートは、それでも感情なく言ってきた。
マートにとっての好きは、ここでもはっきりと口に出した。
「それでも、お前は俺に始末をさせたのだろう」
「殺したのは、修成。あなたよ」
「そうだ、俺は殺した」否定はしない。マートの顔を見て、はっきり言い放った。
俺にとって、蓮を殺した事実は変わらない。
だけど、俺はそれでもマートの方を向いた。
「だけど、俺は殺して……いなくなって分かったんだ。
蓮が一番好きだったことを。これほど、俺は愛していたと言うことを。
だから、お前には感謝をしているぞ。
蓮の愛に気づかせてくれたお前達には、むしろ感謝だな」
「でも、彼女は戻らない。蓮は死んだし……」
「それが、どうしたんだよ!」
俺は、それでも強気で言い返した。
マートは俺に対し、冷めた目でじっと見ていた。
冷たい目を浴びながら、俺は前を向いていた。
「はっきり、俺は言う。今でも俺は、蓮を一番に愛している。
俺は蓮が好きだし、それは絶対に変わらない。
神であるお前がいくら脅迫しても、俺の心は変わらない」
「どうして、そんなことが言える?」
小さな少女のマートは、首をかしげた。
「お前の好きと、俺の好きは根本的に違うからだ」
俺ははっきり、マートに言い放った。
その言葉を聞いた瞬間、マートの眉間にしわが寄っていた。




