045
俺のカーゴは、ドローンの襲撃に遭って破壊されてしまった。
だから、俺のカーゴはもう無い。
それでも合流した姉貴のカーゴに、俺と恋は乗っていた。
姉貴の赤いカーゴは、四人乗りなので全員乗り込むことも出来たし。
「三人乗りは、久しぶりね」
姉貴のカーゴは、俺のカーゴより大きい。
自動運転ではなく、姉貴自らガウン手インしていた。
助手席に、恋が乗り……姉貴の隣だ。俺は後ろの席で、スマホを見ていた。
「アール大学から、完成したって報告があったわ。
プログラムの再調整が終わったので打越教授が、マート庁に来ているわ」
「そうか。話が早いな」
「あたしは、あんたの姉よ」姉の愛善は、運転席で恋を見ていた。
「でも、恋ちゃん。修成と一緒に旅をしていて、何か変なことされなかったの?」
「うん、今のところは」
「修成はね、ああ見えて……獣の本性があるわ。
修成の精力は、全然衰えていないし」
「悪かったな」前の会話に、俺はツッコミを入れていた。
「修成は、黙ってて。恋ちゃんと、ガールズトークしているんだから」
姉貴は、俺を軽くあしらった。
そのまま、姉は恋の方を見ながら話をしていた。
いつの間にか、姉貴と恋は仲が良くなっていた。
「ねえねえ、恋ちゃんはまだ未成年でしょ?」
「一応……眠っていたけど未成年です。まだ14ですし」
「そうなんだ、凄く若いわね」
「え?」恋は、姉貴の声に戸惑っていた。
二人の会話を適当に聞き流しながら、俺はある事を考えていた。
(ここで、柚木が助けに来るとはな)
仕事を何度も休みながらも、アイツに助けられたのは胸が熱くなった。
相棒である柚木には、いつも助けられてばかりだ。
あの日、俺が蓮を殺したときも。
仕事を何度も休み、仕事の後に吐いたときも。
それでも、柚木はいつも通り助けてくれた。
(アイツは、本当に最高の相棒だ)
俺は、スマホで柚木にメッセージを送った。
まあ、すぐには返事が返ってこないと思う。
それでも、柚木には感謝を伝えたかった。
「はやっ!もう返ってきた」
スマホを見て、数秒で返ってきたメッセージを見返した。
そのメッセージを見て、俺は前を向いていた。
(ああ、約束するよ。俺が必ず全てを救ってみせる。
恋も、蓮も、マートも、世界も)
心に秘めた、俺の意志。
カーゴの窓の景色には、大きくそびえ立つセントラルタワーが見えた。
間もなくして、姉貴の運転するカーゴはこの場所に辿り着いた。
俺の職場でもあり、マートも眠る場所。
マート庁の大きなビルが、目の前に見えた。
「さあ、着いたわよ。あたしができるのは、ココまでだから。
修成、後は分かっているわよね?」
「ありがとな、姉貴」
「きっちり、けじめをつけてきなさい!」
姉貴の言葉に背中を押された俺が、カーゴのドアを開けた。
開けた先には、マート庁の大きなビルが見えていた。
そして、一人の人間が出迎えた。
「お待ちしていました。さあ、こちらへ」
出てきたのは、気弱な白衣の助手……堀合だった。




