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音も立てずに、ドローンは飛んでいた。
真っ白なドローンは、ブラックナンバーの使うドローンではない。
マートが自動操縦するドローンと、しっかり区別されていた。
ドローンの黒い光線が、俺のいた場所に放たれて床をくり抜いた。
俺は小さな恋に、助けられていた。
恋は赤い顔で、俺を睨んでいた。
「バカ、勝手に死ぬんじゃ無いわよ!」
恋は、俺に対して強く怒った。
眉間にしわを寄せて、険しい顔を俺に初めて見せていた。
俺に向けて放たれたビームは、|ADL『アトミックディストラクションレーザー』だ。
ドローンの放つビームの威力を、ブラックナンバーの俺は誰よりも理解していた。
黒い光線で、俺はレッドナンバーの蓮を殺したのだから。
「俺は罰を受ける。だけど、それは死ぬことじゃない。
お前の分も生きて、生きて、この世界で罪を償う。
お前を殺した責任を、俺は長い寿命の中で死ぬまで全うする。
今の俺には、その覚悟が確かにある」
「修成」顔が、明るくなる恋。
「それが答えなんだ……ね」
蓮の顔に戻ったウェディングドレスの女は、冷たく言い放っていた。
蓮は、じっと俺の顔を見ていた。
「それに、お前も救わないといけないしな。マート」
「私を救えるの?あなたが?」すぐに蓮は、マートの顔に戻った。
出てきたのは、セントラルタワーにいた少女の顔。
「救うよ、そのために俺は準備をしてきたのだから」
「無理よ、あなたには」
マートは俺に、はっきり言い放った。
「どうやって?ここでお前は、私によって死ぬのに?」
ウェディングドレスの真上に、ドローンが飛んでいた。
静かに一機のドローンが、教会の上空高く飛んでいた。
それは、俺たちを見ている死神のようだ。
「死ぬって、いつ決まったんだ?」
「このドローンは、あなたを殺すまで追い続ける。
そこにいる恋も、一緒に消し去るから安心して」
俺の後ろには、恋がいた。
マートにとって、モデルでもある恋の存在は消したい存在。
だけど、俺は前に立って両手を広げていた。
「恋もマートも、殺させない」
「そんなに欲張っていいの?君、死んじゃうよ?」
「だから、俺がここにいるんだよ」
それは、俺の声じゃ無い。
会談の方から聞こえる声と共に、銃声が聞こえた。
銃弾は、俺……ではなくウェディングドレスのマートに向けられた。
ホログラムを通過して、教会の壁に命中。
「なんだ、新手か?」
「よう。まだこんな所にいたのか、相棒」
そこに姿を見せたのは、金髪の青年だ。
全身黒いスーツを着た男は、階段をゆっくりと降りていた。
手には、昔ながらの拳銃を持ちながら。
赤いクセ毛の男は、俺がよく知っていた人物だ。
「柚木っ!」
「相棒、待たせたな。さあ、さっさと早く出て行け。
廻沢が、ようやく完成させたようだぞ」
柚木の後ろには、もう一人の人物が姿を見せていた。
緑色のワンピースを着た女、俺の姉貴が姿を見せていた。




