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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
三話:AIと対話を求める女
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蓮は、マートの監視をしていた。

マート庁で、唯一選ばれたモデリングの人間の一人。

彼女はノーマルナンバーで、マートに殺されてしまった。

だけど、俺は蓮のことをよく知っていた。当然、俺は蓮の彼氏なのだから。


「彼女は、本当にマートを寵愛していた。

蓮にとって、マートはかわいい子供のような存在だ」

「マートを好きな人物……彼女を採用したのはそれが理由だ。

そしてマートも、蓮の事を気にかけていたようじゃ。

マートにとっても、蓮は大事な存在だったようじゃな」

「それが『好き』を知りたい……に繋がっているのか?」

「マートの中には、世界の全ての情報がある。

歴史、地理、様々な言語、高速処理の計算。

それでも人間的な感情を理解するのは、システム上には組み込んでいない」

「まあ、かなり厄介な問題を残したけどな」

俺は首を横に捻っていた。

マートは、既にアップデートを拒絶していた。


今度も、上手くいく方法はないしさらに警戒してくるだろう。

だからこそ、マートに『好き』の意味を説く必要があるのだ。


「マートには、蓮の面影が残っている。

だから俺は、マートを救うと俺は決めたんだ。

そのために、好きを……調べ回っていた。そして、答えを見つけることが出来た」

「なるほど、君の中に答えはあるのですかな?」

「見つけてはいる。だが俺には、まだ迷いがある。

あのとき失敗した俺が、二度と失敗しないように俺はやるべきけじめがある」

「けじめ?」

「蓮を真剣に愛せなかった、俺のけじめだ」

俺は、はっきりと言い放った。


蓮を救えなかった自分、それはあの日の出来事からだ。

あの日、俺は出来なかったことが俺の心残りとして残っていた。


「おそらくそれが、蓮の記憶から呼び出したマートの好き……ということだから」

そんな俺は、あることを思い出していた。



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