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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
三話:AIと対話を求める女
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037

ドローンの猛攻に耐えながらも、アール大学に近づくにつれてドローンの攻撃が弱まった。

アール大学に辿り着く頃には、既にドローンの追撃は無くなっていた。


研究室に入り、俺は一人の人間と面会をしていた。

出迎えたのは、白衣の老人。打越教授とテーブルを囲む。


「なるほど、君は再びマートに会いたいと」

「ええ、俺はマートにもう一度会いたい」

「前回のアップデートを、失敗した君が?」

「アップデートの内容を、もっと精査しないといけない。

マートの記憶を消さずに、暴走を止められないのか?」

「無理……と言いたいところだがわしも見直してみた。

アップデートのデータをもう一度見直すことで、マートの記憶を消さずに正すことは出来るかもしれない」

「本当か?」俺の言葉に、打越教授は頷いた。


「わしは、間違えていたのじゃよ。

AIの感情は不要というのは、正しくはない。

AIも、長いこと生き続ければ人に近づいていくのは自然的なこと。

だから、記憶を消さずに暴走を止めるプログラムを書き直した。

アップデートのデータは、あと一日かかるが……君にもう一度アップデートを頼めるか?」

「やってやる」

俺は手を差し出した。打越博士と、固い握手をしていた。


「では明日……君にはマート庁のアメミットに向かってもらおう」

「その前に、やるべき事がある」

「何かね?」

「恋以外……残り6人のマートのモデリング人間の情報の開示をしてほしい。

無論、それは蓮の分もだ」

俺が打越教授に言うと、すぐそばの女性の助手が動き出した。

同時に近くにあるタブレットを、俺に見せてきた。


「ありがとう」俺はタブレットを見ながら、情報を確認した。


(グリーンナンバーの男に……デパート経営者……後は元大陸の政治家)

情報を一つ一つ確認する。男女比は3:4だ。

どんな人物がいるのかを見ながら、打越教授が話してきた。


「君には、とにかく期待しているぞ。

おそらく君だけが、世界の神マートに会える唯一の人間だから。

でも、どうしてそこまでやる気になったのじゃ?」

打越教授が、不思議そうな顔で聞いていた。

それを聞きながら、俺はタブレットで情報を確認し終えた。

顔を上げて、打越教授をじっと見ていた。


「俺の彼女、鍵谷 蓮が愛情を注いだAIだからな」

俺は、はっきりと言い放っていた。



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