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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
二話:神を作りし若人
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高速エレベーターが登った先は、不思議な広場だった。

そして、俺の体もドローンから変わっていた。

俺はマートンのアプリで作った、自分のアバターに変わっていた。


アバターで作ったのは、同性の男だ。

自分の体をデフォルメした、つまらないアバター。

サラサラの単発黒髪、着ている服は黒のジャンパーと長いズボン。


「うわ、つまんないアバター」

「うっさい」ナビゲーター役の廻沢に、俺は突っ込んでいた。

アバターから見えるのは、真っ白い部屋。

背後には俺が乗ってきたエレベーターが見えて、奥にはベッドが見えた。


「あれは?」俺はベッドに向かうと、一人の人間が寝ていた。

そして、俺が近づくと真っ白な目を開いた。

大きな瞳と、童顔。

それは紛れもない『マートン』のナビゲートアイコンでもある『マートン』だ。

着ている服も、七色に見えるワンピースだ。


「本物のマートンだ」

「なんだ、お前?」

「俺は、ブラックナンバーの……」

「8929314847、知っている。碑文谷 修成か?」

「やっぱり分かるのか?」だけど、俺が見ている視覚情報に彼女の番号は無い。

名前の表記もされていないが、コイツは一目で分かった。


「お前がマートか?」

「本来のマートは情報体、だからマートに体は存在しない」

「そこにいるお前は何だ?」

「情報体を繋ぐツールの一つ、お前達マート庁で『マートン』というもの」

確かにマートンのアプリのナビゲーターと、全く同じ姿、形をしていた。

その姿はよく見ているし、駅前に銅像が建つほどだ。


「こんな所に何しに来た、8929314847?」

「マートのアップデートを、しに来た」

そう告げて、取り出したのは一枚のディスク。

アップデートのデータディスクとして、打越教授からアバターで受け取っていた。

このアップデートディスクを渡して起動すれば、俺の任務は終わり。そう思っていた。


「やだ」マートンは、ボソリと否定した。

呟いたマートンは、うつむいていた。


「やだって?」

「嫌なモノは嫌だ。お前は、どうせ打越にそそのかされてきたんだろう」

ダダをこねる幼い女の子の姿が、俺の目の前に見えていた。

口を尖らせて、そっぽを向いていた。

俺はそんな女の子を見ながら、アバターの頭をかいていた。



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