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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
二話:神を作りし若人
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021

マート庁職員の堀合は、アール大学に現在も籍を置いていた。

研究室でAIの専攻をしていて、打越教授のことをよく知っていた。

恋を紹介した俺は、堀合と一緒に歩いていた。

辿り着いたのは、一つの研究室。


「ここが、打越研究室。僕も久しぶりに入る、神の部屋」

大袈裟だけど、堀合は教授を心酔していた。

見えた部屋は、研究室らしい部屋だ。

狭い部屋に机と、乱雑に置かれたいろんなロボット。

棚が置かれていて、研究員がパソコンを見ながら難しい顔を浮かべていた。


「ここの研究室も、ラボと余り変わりないな」

「いやいや、これは凄い。これが……打越研究室か」

自分の大学の研究所であるにもかかわらず、堀合がなぜか興奮していた。

目を輝かせて、研究室を眺めていた。

興奮している堀合を放っておいて、俺は一人の研究員に声をかけた。


「あの、すいません」

声をかけたのは、若い男。室内でも、黒いパーカーを被っている男に声をかけた。

モニターを見ていた俺に、パーカー男が顔を向けた。


「ん?」

「打越教授は、どこにいらっしゃいますか?」

「ああ、教授か?教授は今頃仮眠を奥で取っている」

「相変わらず、研究室に泊まっているのね」

恋は不満そうな顔で、ボヤく。


「ねえねえ、この研究は何をしているんだ?」

「これは、大戦時のシミュレーションだ。

もしも、AIマートが大戦で国の全機関を操れたら……どうなるかっていう検証研究」

「大戦って?」

「え、第三次世界大戦を知らないの?」

恋が聞いて、パーカー男は驚いていた。

それでも、恋は首を横に振っていた。


「知るわけないでしょ、あたしは……」

「ストップ!」俺は、恋の口を強引に押さえた。

そのまま、パーカー男に背中を向けてしゃがみこんだ。


「ど、どうしたの?」

「コールドスリープの話は、控えておけ。

コールドスリープは、今の世界では禁止されている」

「ああ、そうなのね」

不思議そうな顔で、俺と恋の背中を見ていたパーカー男。

だが、すぐに振り返って俺は話し出した。


「コイツ、まだ若いんだ。なにせ戦後、生まれだから」

「そうか、なら仕方ない。

いいかい、第三次世界大戦は、大陸同士の核戦争だ。

核を用いて、大陸は住めなくなった。

大陸にいた人間は全て放射能で死滅をし、人口は99.9%消滅した」

「大陸がそんなことに……」

「愚かな人類を救うために、神マートは現代の神として存在している。

AIは神だ……人間と違って間違えない。常に正しくあろうとする」

「だが、最近……その神が少しおかしいのじゃよ」

そんな中で、一人の人間が奥から姿を見せた。


奥から見えた人物は、大きな欠伸をしながら姿を見せた。

スキンヘッドで、白衣を着ていてねずみ色のズボンを履いた老人。

だけど、俺の隣の恋は現れた老人をじっと見ていた。


「あんた、まさか……」

「おお、その姿は……」

恋を見て、老人のしわだらけの顔が穏やかな顔に変わった。



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