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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
一話:百年眠る少女
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14/56

014

デパートの外は、とても晴れていた。

植え込みが見えて、綺麗に区画された植物。

道も通りやすく、開放的な出口で俺は姉に声をかけた。

姉は振り返り、俺を見て少し照れた顔になっていた。


「姉貴、奇遇だね」

「あら、修成。そちらの子が、昨日連れ込んだ女の子ね」

「連れ込んだ?」姉に言われて、恋は少し照れていた。


「はい、打越 恋といいます」

猫を被ったように、しおらしい恋の挨拶。

なんだかこれだと、逆に怪しまれそうだ。


「へえ、恋ちゃんっていうんだ。あなたも」

「はい、修成から聞きました。元カノの話」

(こいつ……)と思いながらも、平静を保つ俺。

にこやかな顔で、俺も対応していた。


「姉貴、そちらの方は?」

「ああ、浜中さん。会社の実業家で、大陸にある資源の開発事業をしているの」

「浜中です、よろしく」

浜中という男は、名刺を取り出してきた。

だけど、これが偽物である事を俺は既に分かっていた。

俺がまだブラックナンバーである事を知らないのか、堂々と『浜中』と言う男は振る舞う。


(顔の認証は、一致している)

スマホで画面確認して、俺は犯罪者『名倉 昭』と断定できた。

顔のパーツ全てが99.7%一致しているのが確認した。


「碑文谷 修成です。姉の愛善がお世話になっています」

「ほう、修成……君か」

一瞬、妙な間があった浜中という男。

俺はその隙を、見逃さない。


「何かあったのですか?碑文谷って名字は珍しいから……」

「そうだね、珍しいよね」だけど、俺の顔をじっと見ている浜中という人物。

そんな浜中は、口元に笑みを浮かべていた。


「言っておくが、俺の番号は正常だ」

「何の話だ?」

「お前、ブラックナンバーじゃないか?」

いきなり浜中が、俺に直接言ってきた。

浜中はそれと同時に、恋が指をさした。


「あれよ、あれから音が出ているわ」

恋は浜中の耳元にあるピアスを、指さしていた。

それを見た瞬間、浜中が動く。浜中が、左手でピアスを鳴らす。

狙いは俺……ではなく俺の隣にいた恋と一気に間合いを詰めた。

そのまま、浜中は恋の首元にナイフを突きつけてきた。


「なあ、ブラックナンバーよ。取引をしないか?」

浜中は、不敵な笑みを浮かべていた。



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