ギアを集めて。
心臓が止まるかと思うほどの衝撃。呼吸は確実に一瞬止まる。ボコっと吐き出した息をもう一回吸うこともできずあたしは天井に背中からぶつかって止まった。
胸のレイヤー部は数枚破れ、折れた肋骨はギア・キュアによって修復される。
吐き出した血はたぶん破れた肺の一部。幸いといえば幸いに、その槍はあたしを貫通することはなく腕が引き絞られる。
ああ、もう一度来るな。
そう理解したところで。
意識が飛ぶのは辛うじて我慢できた。
あたしはそのまま思考を加速する。
あれ、は、強い。
中ボスといってもイリスがもう少し成長し戦闘慣れした頃に現れる敵で。
今のイリスには本来だったらまだまだ荷が重い相手ではあった。
だけど。そんなことは言ってられないし!
ここはおはなしの世界かもしれないけどこれは現実だ。あたしが勝つ未来は約束されたものじゃ、無いんだ。
あたしがそれだけ、
あたしがどんだけ、
あたしがとにかくなんとかしなきゃ、ここは乗り越えられないんだって。
諦めちゃ、それで終わっちゃうんだって。そう心を奮い立たせる。
まず。
自分の力、自分の力の源を全て吐き出して。
諦めたりするのはその後で充分だ!
火のアーク。
アークの権能は物質の化学変化に干渉できること。
水のバアル。
バアルの権能は物質の温度変化への干渉。
燃え盛る破壊神に対抗するために。
アークバレット!
右手を振り集めたアークとバアルの弾丸を撒き散らす。
シヴァの周囲に撒き散らしたギアの弾丸が周囲からシヴァの熱量を奪う。
風のアウラ。
アウラの権能は空間の位相への干渉。
土のオプス。
オプスの権能は物質創造。
アウラ・サーベル!
左手を振りアウラの刃を放つ。
次元のヤイバがシヴァを襲う。シヴァがその見えざる手でそのヤイバを払い落とそうとしたところでオプスの権能により実体剣と化したそれは回転を早めシヴァに迫った。
ブーメランのようにシヴァの腕を何本か切り落としたところであたしの手元に戻ってきたそのアウラ・サーベルを構え。
あたしはそのままシヴァの懐に突っ込んだ。




