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95.目配せ


大学1年生の後半戦は忙しい。

ちょっとずつ勉強の難易度が上がり

勉強をしつつもプライベートも楽しまなければ

ならないからだ。


小難しい数式など、頭に入らず

俺の頭は今週末のデートの事でいっぱいだった。


なにより、免許取得間もなく

ドライブデートなどと約束をしてしまい

改めて車の運転方法をネットで検索していた。


つーか、マニュアル免許取ったけど

オートマしかない!レンタカー屋!

逆に今度はオートマの運転が怖い!怖い!



そんな退屈な講義が終わり、茂木と2人で次の講義が開催される教室へ移動する。

ぞろぞろと生徒たちが移動する中、その、人混みの、濁流の中、それを眺めていた時に、



愛生さんと、目が合う。



愛生さんとあの日、

運転免許センターでデートの約束を取り付けてから



何もしてない。




何やってんだ!俺!




目の合った愛生さんは

表情を崩した。


驚いた!みたいな顔をした後、

目を細めて、疑いをかける顔というか

睨むような目をしていた。


(まだなの?)


そんな目配せをしているような気がした。


正直、もうちょっと待ってください、愛生さん。

ちょっと今、俺はその、オートマの運転と、遥さんとのドライブ水族館デートがありまして。


(ごめんなさい!)


みたいな申し訳ない顔をした俺。

それに対して、少しニコリとして

そのままその濁流に流されていき

愛生さんは見えなくなった。



しかし、見れば見るほど可愛い人だ。








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