83.絶望
意味もなく、意味もなく。
たまたま来た街、知らない街を、
原付で走り回る。
これから自宅に戻る憂鬱さと
この先の人生が思いやられる事や
魔女の真実に近づいた事
何より、どこかで、父親であって欲しかった
その父は
父であり、ただの0点。
そういう事であった。
何だかんだ言って、父に会える
そんな、感動的な何かを俺はどこかで
期待していた。
アニメや漫画の様に、本当は悪いと思っていた父親が
実はいい奴でした!
みたいな、そういう、そういう奇跡を望んでいた。
そして、もうひとつ分かったこと。
やはり俺の仮説は間違っていないということ。
おそらく、そうだ、という事。
ユキちゃんが〝破滅の魔女〟だという事。
俺とユキちゃんは
あのクソ親父の遺伝子を継いだ
異母兄妹。
救済の魔女は言っていた。
ー魔女は〝禁忌〟と言う力を得る。
そういう事だろう。
近親相姦にあたる。
恋愛感情は芽生えちゃいけない。
だから、俺だったんだ。
今思えば、俺がユキちゃんを助けたいと思う気持ちは、多分、兄貴としての、
そういった感情だったのかもしれない。
ユキちゃんに近づく度に、不可解な現象は定期的に起きていた。
あのクソ男に会えたお陰で、
真実に辿り着けそうだ。
そして、もうひとつ、思うことがあった。
もう、どうでもいいかなって。
クソ男の事がショックだった。
俺も、そして、ユキちゃんも
あの男のせいで人生を狂わされた。
それならいっそ、
もう、どうだろう?
ユキちゃんとキスをして、
世界を破壊しちゃうって
これ、どうかな?
世の中、あまりにもクソ過ぎる。
絶望したんだ。
真っ当に生きてきたつもりでも、
あの男の遺伝子が俺を成形している。
その事実にもう、嫌気がさしていた。
終わりにしたい。
もう・・・




