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79.これが


翌日朝10時。

俺は絵空駅から徒歩5分、エソラ興信事務所にいた。


俺は大金を払って、この事務所に依頼をかけていた。


「意外にも早く、見つかりましたよ」

担当の大村さんが語る。

「ありがとうございます」


大村さんは調査結果報告書を見せ、資料の2ページ目を開く。写真が載っている。

それを指差し、大村さんが口を開く。






ーこれが







「これが貴方のお父さんと思われる方です。見覚えはありますか?」






その写真はどこかしらの住宅街で何かを考えながら歩く男の姿だった。髪はロン毛で横分けパーマ。清潔感がギリギリ無いような無精髭。


最後に見た父の記憶が曖昧な為、正直わからなかった。



「正直分かりませんね」

「そうですか」

「写真もないし、最後に見たのは小学生の時だったんで」

「一応これが、この人物に当たるまでの資料です」



報告書には、この男の追跡の状況が書かれていた。





ー俺が役所に住民票を取りに行った日。




俺はなぜかその紙に呼び寄せられるように、〝戸籍謄本〟の依頼用紙を記入していた。

これは、自分を証明する資料。そして、父や母の名前が載っている資料だ。


そしてそこで、俺の父親が、父親としての籍を抜いていない事に気付く。


つまり、正式に離婚をしていなかったのだ。通りで名字が変わっていないわけである。何も考えてはいなかっただけだが、よく考えてみれば分かることだった。



どうやら、そのお陰で実の父親の現住所を特定するのは容易な事だったようだ。



「・・・写真では判断できませんが、おそらく父だと思います」

「どうされますか?」







「直接行って、確かめます」








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